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21日の香港市場概況:ハンセン0.04%高で続伸、不動産セクターに買い
*18:00JST 21日の香港市場概況:ハンセン0.04%高で続伸、不動産セクターに買い
21日の香港市場は、主要82銘柄で構成されるハンセン指数が前日比7.32ポイント(0.04%)高の16621.13ポイント、本土企業株で構成される中国本土株指数(旧H株指数)が7.26ポイント(0.13%)高の5619.91ポイントと小幅に続伸した。売買代金は695億6660万香港ドルに縮小している(20日は900億3610万香港ドル)。
経済対策の期待感が相場を支える流れ。中国経済の先行き不透明感が根強い中、当局の景気支援策に対する期待感が改めて高まった。経済成長を促すため、当局は預金準備率の引き下げなど金融面での支援を継続するとの観測も続いている。また、香港は金融政策で米国に追随するため、米10年債利回りが約5カ月ぶりの水準に低下したことも好材料だ。もっとも、全体としては上値が重い、ハンセン指数などは安く推移する場面もみられている。連休や年末を前に買いが手控えられた。香港市場は25〜26日がクリスマス休暇による休場となる。(亜州リサーチ編集部)
ハンセン指数の構成銘柄では、中国民間ガス供給業者の新奥能源HD(2688/HK)が4.6%高、不動産投資会社の九龍倉置業地産投資(1997/HK)が4.0%高、太陽光発電用ガラス基板メーカーの信義光能HD(968/HK)が3.6%高と上げが目立った。
セクター別では、香港・本土の不動産が高い。上記した九龍倉置業地産投資のほか、領展房地産投資信託基金(823/HK)が2.0%、新世界発展(17/HK)が1.9%、合景泰富地産HD(1813/HK)が5.6%、雅居楽集団HD(3383/HK)が4.9%、広州富力地産(2777/HK)が3.6%ずつ上昇した。本土不動産株に関しては、当局の支援策に対する期待感が再び強まっている。中国住宅都市農村建設部の担当者はこのほど、分譲型「保障性住宅」(低中所得者向け住宅)の建設を促進する方針を明らかにした。また、中国人民銀行(中央銀行)は少なくとも1兆人民元(約20兆1000億円)の低金利資金を都市部の再開発、保障性住宅の建設などに投入するもよう――などとも伝わっている。
中国の銀行セクターもしっかり。招商銀行(3968/HK)と中国郵政儲蓄銀行(1658/HK)がそろって2.0%高、交通銀行(3328/HK)が1.9%高、中国農業銀行(1288/HK)が1.7%高で引けた。
海上輸送やコンテナ生産・リース、港湾の海運セクターも物色される。海豊国際HD(1308/HK)が4.4%高、中遠海運HD(1919/HK)が4.3%高、勝獅貨櫃(716/HK)が3.1%高、中国国際海運集装箱(2039/HK)が3.0%高、招商局港口HD(144/HK)が2.6%高、中遠海運港口(1199/HK)が2.4%高と値を上げた。
半面、新興EV(電気自動車)関連は安い。蔚来集団(9866/HK)が8.6%、理想汽車(2015/HK)が4.9%、小鵬汽車(9868/HK)が3.5%、浙江零ホウ科技(9863/HK)が2.0%ずつ下落している。外電は21日、「米政権はEVを含む一部中国製品の関税引き上げを検討している」と報じた。
一方、本土市場は反発。主要指標の上海総合指数は、前日比0.57%高の2918.72ポイントで取引を終了した。ハイテク株が高い。不動産株、インフラ関連株、消費関連株、素材株、医薬株なども買われた。半面、証券株は安い。エネルギー株、公益株、メディア・娯楽株も売られた。
亜州リサーチ(株)《CS》
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