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NYの視点:ラガルドECB総裁の発言はタカ派寄りだが・・・
*07:43JST NYの視点:ラガルドECB総裁の発言はタカ派寄りだが・・・
欧州中央銀行(ECB)は12月14日開催の理事会で前回に続いて主要政策金利を据え置くことを決定した。この決定は予想通りだったが、市場参加者の間からは「ラガルドECB総裁の記者会見での発言はタカ派寄り」との声が聞かれた。記者会見での発言内容はおおむね以下の通り。中でもインフレ関連の発言が注目されているようだ。
・サービス部門の活動は今後数カ月で軟化する見通しだが、融資条件の厳格化とさえない外需が短期的に経済活動を引き続き圧迫する公算が大きい。
・過去の金利上昇の影響が引き続き経済に強力に波及している。
・ECBはデータに依存するが、時間には依存しない。
・市場金利は前回の会合以降、大きく低下しており、スタッフ予想に組み込まれた金利を下回っている。
・インフレの上振れリスクには、短期的にエネルギー価格を上昇させる可能性がある地政学的な緊張の高まりや、食品価格を押し上げる可能性のある異常気象が含まれる。インフレ期待がわれわれの目標を上回ったり、賃金や利益率が予想を上回った場合、インフレ率が予想以上となる可能性もある。一方、インフレの下振れリスクにつては、金融政策が需要を予想以上に抑制したり、世界の他地域の経済環境が予想外に悪化した場合、インフレは予想外に下振れする可能性がある。最近の地政学的リスクの高まりも一因となる可能性がある。
・インフレ見通しについて、11月消費者物価指数の低下は広範囲にわたり、中でもエネルギー価格の低下が進んだ。全体としては比較的高止まりしているものの食品価格のインフレも低下した。エネルギーコストのベース効果の上昇により、12月のインフレ率は加速する可能性が高い。2024年には、さらなるベース効果の上昇とその影響を抑えるために以前に講じた財政措置の段階的廃止により、インフレ率の低下はより緩やかになると予想される。
ラガルド総裁はインフレ見通しについて「2024年には、さらなるベース効果の上昇とその影響を抑えるために以前に講じた財政措置の段階的廃止により、インフレ率の低下はより緩やかになると予想される」と述べているが、この見解はECBのコンセンサスと見るべきだろう。ECBによる利上げサイクルは終了したと思われるが、現時点で利下げ開始の時期についてあれこれ予測することは慎むべきかもしれない。《CS》
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