15日の米国市場ダイジェスト:NYダウは56ドル高、早期利下げ観測が緩和

2023年12月18日 06:07

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記事提供元:フィスコ

*06:07JST 15日の米国市場ダイジェスト:NYダウは56ドル高、早期利下げ観測が緩和
■NY株式:NYダウは56ドル高、早期利下げ観測が緩和

米国株式市場は続伸。ダウ平均は56.81ドル高の37,305.16ドル、ナスダックは52.36ポイント高の14,813.92で取引を終了した。

NY連銀のウィリアムズ総裁が早期利下げを否定したため、寄り付き後、下落。その後、アトランタ連銀のボスティック総裁が来年下半期の利下げを予想していると発言すると、上昇に転じた。過去最高値付近での利食い売りにダウは一時下落に転じるも、終盤にかけ航空機メーカーのボーイング(BA)がけん引する形で底堅く推移。ナスダックも半導体インテル(INTC)の上昇や金利先安感にプラス圏を維持し過去最高値で終了した。セクター別では食・生活必需品小売は上昇した一方で、公益事業が下落。

航空機メーカーのボーイング(BA)はアナリストが同社の目標株価を引き上げ、上昇。金属製品メーカーのアルコア(AA)は財務省が国内生産者に焦点を当てた税優遇措置が奏功するとアナリストが投資判断を引き上げ、上昇した。会員制倉庫型卸売・小売会社のコストコホールセール(COST)は四半期決算で1株利益が予想を上回ったほか、特別配当を発表したことを好感した買いが続き過去最高値を更新。鉄鋼会社のスチール・ダイナミクス(STLD)は第4四半期の1株利益見通しが予想を上回り、上昇した。

一方、携帯端末のアップル(AAPL)は中国政府が政府・地方公務員に対するアイフォーン使用禁止を強化したため、下落。銀行のシティ・グループ(C)は地方債事業撤退を発表し、下落した。不動産投資信託のニューヨーク・モーゲージ・トラスト(NYMT)は第4四半期の減配を発表し、下落。

NY連銀のウィリアムズ総裁はCNBCとのインタビューで、利下げについて協議しているというほどでもないと、来年3月の利下げについて考えるのは時期尚早と述べた。


■NY為替:米地区連銀総裁らの早期利下げ観測けん制発言でドル買い優勢

15日のニューヨーク外為市場でドル・円は、142円45銭へ上昇後、一時141円43銭まで下落したが反発し、142円16銭で引けた。NY連銀総裁の早期利下げ観測をけん制するような発言により、ドル買いが強まった。その後、米国の経済指標の予想下振れや来週の日銀会合への警戒感などから、一時ドル売り・円買いになったとみられる。しかし、アトランタ連銀総裁の緩やかなペースの利下げ見通しが伝えられ、ドル買いが再燃した。

ユーロ・ドルは1.0948ドルから1.0889ドルまで下落し、1.0895ドルで引けた。ユーロ・円は155円47銭へ上昇後、一時154円41銭まで下落した。 ポンド・ドルは1.2759ドルから1.2669ドルまで下落。ドル・スイスフランは0.8663フランから0.8712フランまで上昇した。


■NY原油:上げ渋り、ドル安を意識した買いは一服

NYMEX原油2月限終値:71.78 ↓0.13

15日のNY原油先物2月限は上げ渋り。ニューヨーク商業取引所(NYMEX)のWTI先物2月限は、前営業日比-0.13ドル(-0.18%)の71.78ドルで通常取引を終了した。時間外取引を含めた取引レンジは70.64ドル-72.56ドル。米国市場の序盤にかけて72.56ドルまで買われたが、ドル安が一服したことから利食い売りが入っており、一時70.64ドルまで下落。ただ、需要減少の懸念は後退しており、押し目買いが観測された。通常取引終了後の時間外取引では主に72ドルを挟んだ水準で推移。


■主要米国企業の終値

銘柄名⇒終値⇒前日比(騰落率)

バンクオブアメリカ(BAC) 33.60ドル -0.34ドル(-1.00%)
モルガン・スタンレー(MS) 91.58ドル +0.54ドル(+0.59%)
ゴールドマン・サックス(GS)380.51ドル -2.96ドル(-0.77%)
インテル(INTC) 46.16ドル +0.98ドル(+2.16%)
アップル(AAPL) 197.57ドル -0.54ドル(-0.27%)
アルファベット(GOOG) 133.84ドル +0.64ドル(+0.48%)
メタ(META) 334.92ドル +1.75ドル(+0.52%)
キャタピラー(CAT) 285.74ドル +0.57ドル(+0.19%)
アルコア(AA) 31.10ドル +1.20ドル(+4.01%)
ウォルマート(WMT) 152.74ドル +0.57ドル(+0.37%)《ST》

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