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アパグループ、大江戸温泉物語の資産運用会社の全株式取得へ
アパホテルなどを展開するアパグループは12日、大江戸温泉物語が保有する資産運用会社の全株式を取得する契約を締結したと発表した。大江戸温泉リート投資法人が資産運用を委託している、大江戸温泉アセットマネジメントの株式を全て取得する。2023年12月19日付で実行を予定している。
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大江戸温泉リート投資法人は、これまで財政基盤の強化が課題だった。現スポンサーの大江戸温泉物語らがコロナ禍からの立ち上がりを優先する中で、今後も十分な支援を得られないと判断。アセットマネジメントから大江戸温泉物語へアパグループへの株式譲渡を提案し、合意を得たという。
アパグループは、ホテルチェーンとして全国最大規模の756 ホテル・11万5,124 室(建築設計中、海外、FC、アパ直参画ホテル含む)を持つ。大江戸温泉リート投資法人らは、その実績と信用力から主要金融機関と良好な関係が構築できていると見ている。
一方、アパグループの背景には、2022年5月に開始した中期計画「AIM5(エイム・ファイブ)」がある。この5カ年計画では、27年3月末までにホテルネットワークを拡大して15万室まで増やすと掲げ、持続可能な経営基盤の確立を目指している。その施策の1つとして、REIT組成を含めた新しい資金調達スキームを模索していた。
同グループはコロナ禍中も黒字を確保してきた。20年11月期の連結決算は減収減益で、経常利益は10億円(前期比97.0%減)まで縮小するも、コスト削減や需要喚起施策により、翌期には増収増益を達成。経常利益を75億円まで回復させた。
22年4月には、創業者が会長に退き社長を交代。新社長のもと迎えた22年11月決算でも、経常利益353億円を確保している。今後も増収予測だが、水道光熱費や人件費などのコスト増の影響で、23年度は減益を見込んでいるという。
全株取得後は大江戸温泉リート投資法人の事業成長や投資価値の向上を目指す。その先に、同投資法人の保有ホテルをアパホテルが運営するといった、新たなネットワーク拡大手法としての活用を想定している。(記事:三部朗・記事一覧を見る)
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