アスカネットは24年4月期2Q累計減益、3Qより連結決算へ移行

2023年12月11日 13:47

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記事提供元:日本インタビュ新聞社

(決算速報)  アスカネット<2438>(東証グロース)は12月8日の取引時間終了後に24年4月第2四半期累計業績(非連結)を発表した。フォトブック事業の需要回復遅れなどで小幅増収にとどまり、フューネラル事業における人件費増加などの影響で減益だった。通期予想は据え置いている。フューネラル事業では2年続いた葬儀件数の増加が落ち着き、フォトブック事業ではBtoC市場の回復を保守的に想定し、さらに人件費増加などを考慮して減益予想としている。なお23年12月4日付でBETを子会社化したことに伴い24年3月期第3四半期より連結決算に移行し、通期連結業績予想は第3四半期決算発表時に公表予定としている。第2四半期累計の進捗率は低水準だが下期偏重の季節要因があり、フューネラル事業において新卒オペレーターが徐々に戦力化することなどを勘案すれば、通期会社予想の達成は可能だろうと考えられる。積極的な事業展開で収益拡大を期待したい。株価は反発力が鈍く安値圏だ。目先的には第2四半期累計業績を嫌気する動きが優勢になる可能性もあるが下値限定的だろう。

■24年4月期2Q累計減益、3Qより連結決算へ移行

 24年4月期第2四半期累計業績(非連結)は、売上高が前年同期比2.9%増の32億51百万円、営業利益が34.2%減の90百万円、経常利益が30.7%減の1億04百万円、四半期純利益が36.4%減の65百万円だった。

 フォトブック事業の需要回復遅れなどで小幅増収にとどまり、フューネラル事業における人件費増加などの影響で減益だった。

 セグメント別(内部売上・全社費用等調整前)に見ると、葬儀関連のフューネラル事業は売上高が4.9%増の15億14百万円で営業利益が7.5%減の2億88百万円だった。売上面では、遺影写真加工枚数が高水準だった前期の反動減がみられるものの、自社営業強化による新たな葬儀社との契約獲得が進展し、画像処理収入やサプライ用品売上が順調だった。利益面は、人員不足となっていた画像加工部門のオペレーターを積極的に採用(新卒)したことに加えて、前期末にベースアップを実施したため人件費が増加して減益だった。

 写真集関連のフォトブック事業は売上高が0.2%減の16億64百万円で営業利益が0.8%増の2億85百万円だった。プロフェッショナル写真家向け「アスカブック」は家族写真や子ども写真などスタジオ向けが堅調に推移したが、一般消費者向け「マイブック」とOEMが海外旅行需要の回復遅れ状況が継続し、全体として小幅に減収だった。利益面は、原材料価格上昇や人件費増加の影響があったが、各種コストダウン施策の効果や減価償却費の減少などにより小幅増益だった。

 空中結像プレートASKA3Dの空中ディスプレイ事業は、売上高が147.8%増の75百万円、営業利益が1億64百万円の損失(前年同期は1億61百万円の損失)だった。国内では広島で開催されたG7サミットメディアセンターでのデモ設置や企業受付など、海外では中東代理店経由でのクウェートの銀行などに導入されて増収だが、国内外展示会への出展による広告宣伝費の増加、品質管理体制強化のための人件費の増加、研究開発費の増加などで営業損失が僅かに拡大した。

 四半期別に見ると、第1四半期は売上高が16億09百万円で営業利益が28百万円、第2四半期は売上高が16億42百万円で営業利益が62百万円だった。

 通期予想は据え置いて、売上高が23年4月期比5.1%増の73億30百万円、営業利益が15.4%減の4億95百万円、経常利益が18.3%減の5億05百万円、当期純利益が26.7%減の3億53百万円としている。配当予想は23年4月期比2円減配の7円(期末一括)としている。予想配当性向は32.9%となる。

 売上面は、フューネラル事業では2年続いた葬儀件数の増加が落ち着き、フォトブック事業では海外旅行などBtoC事業の回復を保守的に計画している。空中ディスプレイ事業は拡販により売上拡大を推進する。セグメント別売上高の計画は、フューネラル事業が2.8%増の32億40百万円、フォトブック事業が2.9%増の37億40百万円、空中ディスプレイ事業が84.9%増の3億50百万円としている。コスト面では、ベースアップや人員増強による人件費の増加、額や紙・インキなどの値上がりを想定して、各利益は減益予想としている。

 なお23年12月4日付でBETを子会社化したことに伴い24年3月期第3四半期より連結決算に移行する。通期連結業績予想は第3四半期決算発表時に公表予定としている。第2四半期累計の進捗率は低水準だが下期偏重の季節要因があり、フューネラル事業において新卒オペレーターが第2四半期以降に徐々に戦力化することなどを勘案すれば、通期会社予想の達成は可能だろうと考えられる。

■株価は下値限定的

 株価は反発力が鈍く安値圏だ。目先的には第2四半期累計業績を嫌気する動きが優勢になる可能性もあるが、下値限定的だろう。12月8日の終値は633円、今期予想PER(会社予想のEPS21円28銭で算出)は約30倍、今期予想配当利回り(会社予想の7円で算出)は約1.1%、前期実績PBR(前期実績のBPS373円19銭で算出)は約1.7倍、そして時価総額は約111億円である。(情報提供:日本インタビュ新聞社・Media-IR 株式投資情報編集部)

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