8日の香港市場概況:ハンセン0.1%安で続落、不動産と自動車に売り

2023年12月8日 18:00

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記事提供元:フィスコ

*18:00JST 8日の香港市場概況:ハンセン0.1%安で続落、不動産と自動車に売り
8日の香港市場は、主要82銘柄で構成されるハンセン指数が前日比11.52ポイント(0.07%)安の16334.37ポイント、本土企業株で構成される中国本土株指数(旧H株指数)が17.64ポイント(0.31%)安の5598.16ポイントと小幅ながらそろって続落した。売買代金は883億6740万香港ドルとなっている(7日は890億3700万香港ドル)。


投資家のリスク回避スタンスが強まる流れ。中国経済の先行き不透明感が引き続き重しとなったほか、米中の指標発表も気がかり材料となった。格付け会社のムーディーズ・インベスターズ・サービスは、中国・香港・マカオの信用格付け見通しを「安定的(ステーブル)」から「弱含み(ネガティブ)」に引き下げた上、主要企業の一部も格付け見通しを引き下げている。また、7日発表された中国貿易統計は、人民元建て輸出がプラス成長を回復したものの、輸入の伸びが大幅に鈍化。市場の一部からは、内需の弱さが指摘された。米中の指標では、11月の米雇用統計が今夜(日本時間午後10時30分)、同月の中国物価統計があす9日に予定されている。ただ、下値は限定的。このところの下落を受けた自律反発狙いの買いなどで、指数はプラス圏で推移する場面もみられた。(亜州リサーチ編集部)


ハンセン指数の構成銘柄では、宝飾小売チェーン大手の周大福珠宝(1929/HK)が5.2%安、中国政府系デベロッパーの華潤置地(1109/HK)が4.6%安、全国展開型デベロッパーの中国海外発展(688/HK)が3.9%安と下げが目立った。


自動車セクターも安い。小鵬汽車(9868/HK)が5.8%、蔚来集団(9866/HK)が4.4%、長城汽車(2333/HK)が1.9%、吉利汽車HD(175/HK)が1.6%ずつ下落した。


中国証券セクターもさえない。中信建投証券(6066/HK)が2.4%安、中国国際金融(3908/HK)が1.9%安、海通証券(6837/HK)と中信証券(6030/HK)がそろって1.4%安で引けた。


医薬セクターも売られる。四環医薬HD集団(460/HK)が6.1%安、華潤医薬集団(3320/HK)が2.9%安、上海復星医薬(2196/HK)が2.1%安、薬明生物技術(2269/HK)が2.0%安で取引を終えた。


一方、本土市場は5日ぶりに反発。主要指標の上海総合指数は、前日比0.11%高の2969.56ポイントで取引を終了した。ハイテク株が高い。石油株、医薬株、公益株、空運株、酒造・食品株の一角なども買われた。半面、不動産株は安い。素材株、自動車株、インフラ関連株、金融株の一角も売られた。

亜州リサーチ(株)《CS》

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