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高島屋岐阜店が2024年7月で閉店、運営子会社も解散へ
高島屋は、岐阜県岐阜市の高島屋岐阜店(岐阜市日ノ出町)を2024年7月末で閉店する。運営子会社の岐阜高島屋も翌8月末で解散する。経営悪化に加え、建物所有者に要望していた電気、空調など老朽化した設備の更新が認められなかったためとしており、高島屋の閉店で岐阜県は百貨店ゼロとなる。
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高島屋岐阜店は、岐阜市の中心商店街に当たる柳ケ瀬商店街で1977年に開店した。現在は地下1階、地上11階、売り場面積約2万6,000平方メートルの店舗で、岐阜県内唯一の百貨店として営業し、柳ケ瀬商店街の核店舗の役割を担っている。
しかし、隣接する愛知県の商業施設や郊外型ショッピングセンターとの競争激化、インターネット通販の拡大などから、買い物客の減少が続き、2004年に岐阜高島屋として分社した。それでも市の人口が緩やかな減少に陥ったうえ、高齢化社会の進行で買い物客の購買力が低下。2023年2月期決算は3,100万円の純損失を出した。2024年2月期決算は営業赤字となる見通し。
さらに、入居する施設で電気、給排水、空調など施設の老朽化が目立ち、全館の大規模改修が必要になってきた。所有者の平和ビル、その親会社の岐阜土地興業に設備更新を求めたが、合意を得られず、閉店を決めたとしている。
地方百貨店は若者の百貨店離れに人口減少が追い打ちをかけ、閉店が相次いでいる。既に山形県と徳島県が「百貨店ゼロ県」となったほか、岐阜など17県が1店舗だけ。岐阜県は2024年1月に一畑百貨店の閉店が決まった島根県に続き、百貨店ゼロ4県目になる見通し。柳ケ瀬商店街は近年、大型店撤退などで客足が落ち込んでおり、高島屋の閉店が深刻なダメージを与えるとみられる。(記事:高田泰・記事一覧を見る)
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