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ウォール街を知るハッチの独り言 投資セミナーで自己判断する小学四年生に敬服(マネックス証券 岡元 兵八郎)
*09:30JST ウォール街を知るハッチの独り言 投資セミナーで自己判断する小学四年生に敬服(マネックス証券 岡元 兵八郎)
さて、マネックス証券の「メールマガジン新潮流」が、9月25日に配信されました。
そのなかから今回は、同証券のチーフ・外国株コンサルタント、『ハッチ』こと岡元兵八郎氏のコラム「投資セミナーで自己判断する小学四年生に敬服」の内容をご紹介いたします。
最近個人投資家の皆さんと直接お話しをする機会が増えてきました。
8月には都内の大学の投資クラブ主催の米国株コンテストがあり、そこで2回にわたり米国株市場や、米国株投資についてのお話しをする機会を得ました。それにあたり学生さん向けに資料を作ったのですが、その時人生早い時期に投資について理解し、投資を始めることの重要性を改めて確認した次第です。
投資は時間が大切です。英語でもタイム・イズ・ユア・フレンド(時間はあなたの友達です)と言います。大学生であれば、毎月こつこつとアルバイト代の一部をS&P500やナスダック100指数に連動する投資信託に積み立てし始めるだけでも自分が60歳を超える、およそ40年後に大きな違いを生むことになるだろうという話もしました。
9月に入ると今度は名古屋の個人投資家向けイベントで、セミナーを行う機会がありました。イベント自体は広い会場に、数多くの上場企業や証券会社がブースを設けて行われていました。私はマネックス証券のブースの中で30分のミニセミナーを行ったのですが、ブースには20名程度の席しかなく、多くのお客様には立ち見で私の話を聞いていただくような状況でした。
私の話は、長期的な資産形成のための米国株投資は決していつ始めても遅くなく、今からでも少しずつ始めてみませんかという流れのお話しです。最初に会場のお客様に、既に米国株や米国株関連の投資信託などに投資をしているかお伺いしたところ、その数は半分もありません。つまり、米国株や米国株投信に投資をしていない投資家の方が過半数ということがわかりました。
会場では4、50歳以上とお見受けする方が多かったのですが、今回私の目を引いたのはセミナー開始前から席に座っていた小学校4年生くらいのお子さんでした。
少しお話する機会を得たのですが、お母さんと一緒に来られていたそのお子さんは、ジュニアNISAで子供視点で自分の身の回りに関係がある日本の会社の株式と、全世界の株価指数の投資信託を保有しているとのこと。これまで私は小学生のお子さんに向けて米国株の話をする機会はなかったのですが、せっかく私の話を聞きに来てくれたので、できるだけその子にも分かるように米国株の魅力をお話ししました。そのお子さんは私の30分の話を真剣に聞いてくれ、セミナーが終わった後、お母さん経由でお子さんがなぜ米国株に投資すべきなのかを理解でき、これまでの全世界株式の投信からS&P500へ変更するとまで教えてくれました。想像するにこのお子さんの家庭では、間違いなく親子の間でお金や投資の大切さなどについてのやり取りがあるのだと思います。
日本では、2024年からジュニアNISAの新規口座開設が廃止になりますが、非常に残念です。
アメリカでは、親の管理のもと株式投資ができる制度が1950年代から始まっており子供の教育資金形成のために利用されてきました。長い歴史もあり、日本人よりアメリカ人の方が株式投資に対する意識は高いのではないかと思います。
私の米国の知り合いの高校生の娘さんも、株価が大きく上がり下がりすると個別銘柄についてもクラスでは話題になると聞きました。
せっかく日本でも子供が無理なく投資を始めることができるスキームができたのにもかかわらずジュニアNISAが廃止となった理由は、利用者が少なかったということのようです。
来年に向けて今後お子さんの名義でNISA口座の開設ができなくなりますので、その代わりとして実際の投資はご両親、おじいちゃん、おばあちゃんが子供の代わりに行うことになるのだと思います。
日本では高校から投資教育が始まっていますが、みなさんのご家庭でももっと子供の頃から、お金、投資の意味や大切さ、そして、投資を行うにあたってベースになる今後の世界観を持つための会話があれば良いなと思っています。名古屋でお会いしたお二人のご家庭で起きているように。
マネックス証券 チーフ・外国株コンサルタント 岡元 兵八郎
(出所:9/25配信のマネックス証券「メールマガジン新潮流」より、抜粋)《CS》
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