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あいおいニッセイ同和、暗号資産やNFTの盗難を追跡するサービス開始
あいおいニッセイ同和損害保険は21日、暗号資産(仮想通貨)やNFTが盗まれた際に、流出先を追跡・特定するサービスの提供を開始すると発表した。提供対象は、同社のメタバース専用保険の契約者で、メタバース運営・管理事業者などが該当する。追跡サービスの利用料金は保険金で補償する。
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追跡・特定サービスは、保険契約者のメタバース運営者らが、フィッシング詐欺やサイバー攻撃などでユーザーの暗号資産・NFTが盗まれたことを認知した場合に利用可能。ブロックチェーン上の取引を監視・分析し、盗まれた資産がどの取引所にあるかを特定してレポートにまとめ、利用者に提供する。暗号資産は、ビットコインやイーサリアム、バイナンスコインなどが対象となる。
あいおいニッセイ同和損保は提供にあたり、サイバーセキュリティ事業を手がけるUppsala Security、テリロジーワークスと連携体制を構築した。
シンガポールに本社を置くUppsala Securityは、デジタル資産のマネーロンダリング防止対策や追跡サービスを展開しており、追跡とレポート作成の実務を担当。その販売代理店であるテリロジーワークスは、利用者とUppsala Securityをつなぎ、追跡依頼を受けてレポート作成依頼や、作成レポートの提供、日本語翻訳サポートなどを担う。あいおいニッセイ同和損保は、保険契約時のサービス紹介と利用費用の保険金支払いを行う。
ベースとなるのは、2023年2月から国内初のメタバース専用パッケージ保険として提供を開始した商品だ。メタバースやAR/VRなどの開発を手がけるDMMアイデアクラウドと、あいおいニッセイ同和損保が共同で開発した。
サイバー攻撃などで情報漏洩した際の損害賠償に加え、メタバース上の詐欺などに伴うリスクと、メタバースイベント中止に関するリスクを補償。例えば、暗号資産・NFT盗難時の原因調査費用や、イベント中止に伴う代替開催費用などを補償する。
契約対象者は、DMMアイデアクラウドが展開するメタバースを活用、運営、管理を行っている事業者のみ。また今回の追跡・特定サービスは、2月の保険開始時に提供を予告していたもので、それを実現した形となる。
背景には、メタバースの活用拡大に伴って高まる詐欺や盗難などのリスクがある。アバター向けのアイテムを模造して販売する、サービス提供者になりすまして暗号資産を窃取する、ハッキングして盗むなどの被害が発生している。同サービスの対象範囲は現時点では限定的だが、今後のメタバースの進展によっては欠かせないサービスとなり得る。
暗号資産・NFT追跡サービスは8月より提供を開始。あいおいニッセイ同和損保は、今後もUppsala Securityと暗号資産・NFT取引に関する未知のリスクの共同研究を推進予定。時代に対応する新たな商品開発などに取り組んでいくという。(記事:三部朗・記事一覧を見る)
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