【株式市場特集】塗料・舶用機器・砂糖株の3セクターが狙い目!業績相場でも夏枯れ相場でも出遅れ訂正のチャンス

2023年8月15日 07:54

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記事提供元:日本インタビュ新聞社

【日本インタビュ新聞社・株式投資情報編集部】

■業績相場の第2ラウンドに備える

 今週の当コラムは、8月後半相場が、業績相場の第2ラウンドになった場合でも決算発表ロスの夏枯れ相場になった場合でも等しく出遅れ訂正の株高カタリスト(株価材料)が期待できるこの3セクター株をディフェンシブ系バリュー株として取り上げることにした。業績の上方修正、増配はもちろんMBO(現経営陣による株式公開買い付け)に関与する銘柄も一部含まれる話題性もある。なかには年初来高値を更新中の銘柄もあるが、まだ割安であり、少ない市場エネルギーでも上値追いが可能な省エネ小型株のメリットも捨て難い。二番手銘柄、三番手銘柄がマーケット状況次第ではトップグループを窺うこともないとはいえない。

■自動車生産回復にコスト増の価格転嫁が上乗せとなり業績を上方修正し増配

 ディフェンシブ系バリュー株としてまず取り上げる塗料株では、日本ペイントホールディングス<4612>(東証プライム)、中国塗料<4617>(東証プライム)、日本特殊塗料<4619>(東証プライム)が今3月期業績を上方修正し、中国塗料は年間68円への増配も発表した。世界的な自動車生産の回復、新造船需要の拡大に原材料価格高騰の価格転嫁が進んだことが要因で、日本ペイントは連続過去最高純利益更新、中国塗料は8期ぶり過去最高純益更新である。また関西ペイント<4613>(東証プライム)も、政策保有株の売却益とインド子会社の固定資産売却益の上乗せで今期純利益が8期ぶりに過去最高を更新する。株価は、例えば関西ペイントは3連休前の10日に年初来高値を更新したがPER10倍台となお割安である。またロックペイント<4621>(東証スタンダード)は、成長戦略を推進するとともに、スタンダード市場上場廃止リスクを回避するため非上場化のMBOを実施し、連続ストップ高でMBO価格1415円にサヤ寄せした。大日本塗料<4611>(東証プライム)や小型塗料株の川上塗料<4616>(東証スタンダード)、アサヒペン<4623>(東証スタンダード)、イサム塗料<4624>(東証プライム)、ナトコ<4627>(東証スタンダード)なども、低PER・PBR水準にあり出遅れ訂正が期待される。

 舶用機器株でもっとも早く今年7月14日に今2月期業績を上方修正したのは古野電気<6814>(東証プライム)で配当も25円に増配した。3連休前の10日大引け後には寺崎電気産業<6637>(東証スタンダード)が、3月期通期業績は期初予想の据え置きとしたが第2四半期業績を上方修正し増益転換した。古野電気のPERは16倍と市場平均をやや上回るが、寺崎電気は11倍台と割り負け、PBRはともに1倍を割る。このほか割安舶用機器株を列挙するとジャパンエンジンコーポレーション<6016>(東証スタンダード)、ダイハツディーゼル<6023>(東証スタンダード)、イーグル工業<6486>(東証プライム)、ガス溶接機の小池酸素工業<6137>(東証スタンダード)と続く。また小型造船株の内海造船<7018>(東証スタンダード)は、豊富な受注残を評価して3連休前の10日に年初来高値を更新し、橋梁落下事故で一時株価が下ぶれた名村造船所<7014>(東証スタンダード)も、今期第1四半期に16億1000万円の為替差益が発生し業績の上ぶれ期待を高めて同様に年初来高値を更新した。

■砂糖株は国際先物価格がやや落ち着きもリベンジ消費・インバウンド向け需要が期待材料

 砂糖株6社のうち今3月期第1四半期の純利益の前年同期比増益率が最も高かったのは、東洋精糖<2107>(東証スタンダード)の8.7倍で、同3.9倍増の8億8800万円となった塩水港精糖<2112>(東証スタンダード)の3月期通期予想純利益8億9000万円(前期比78.6%増)に対する利益進捗率はほぼ100%となった。世界最大の生産国のブラジルの天候不順で需給が逼迫し国際粗糖価格が、今年4月下旬に1ポンド=27.41セント11年ぶりの高値となり、国内の卸売値も42年ぶりの高値となり、このコスト上昇を出荷価格に転嫁して値上げしたことなどが要因となった。国際先物価格は、足元では1ポンド=22.89セントと落ち着いてきているが、リオープン(経済活動再開)によるリベンジ消費やインバウンド復活による土産物需要などで砂糖消費の高水準推移も期待され今後の業績推移が注目される。株価は、3連休前の10日に日本甜菜製糖とウェルネスシュガー<2117>(東証プライム)が年初来高値を更新し、甜菜製糖のPERは16倍台と市場平均をやや上回るが、残り5社は7倍台~13倍台の評価で、4社がPBR1倍割れである。今3月期配当の特別配当・記念配当込みで年間100円(前期実績35円)へ大幅増配する東洋精糖の年間配当利回り5.45%は、全市場ベースの高配当利回りランキングの第16位にランクインする。(情報提供:日本インタビュ新聞社・株式投資情報編集部)

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