NYの視点:FOMCメンバー3分の2が追加利上げ支持。世界的なインフレ高止まり

2023年6月23日 07:40

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記事提供元:フィスコ

*07:40JST NYの視点:FOMCメンバー3分の2が追加利上げ支持。世界的なインフレ高止まり
連邦準備制度理事会(FRB)のパウエル議長は昨日の下院金融委員会での半期議会証言に続き上院銀行委員会での証言でも、サービスセクターのインフレにあまり改善が見られず、年内2回の追加利上げが適切になる可能性が強いとの考えを繰り返した。インフレ率はピークから低下傾向にあるものの主に燃料や食料品価格の下落によるものだと指摘。

連邦公開市場委員会(FOMC)委員の3分の2が年内の追加利上げが適切だと考えていることを再度議会に伝えた。ただ、目標にしている金利水準には近づきつつあり過剰な利上げを回避するように努め注意深いペースでの利上げが適切であると指摘した。信用ひっ迫が1回の利上げの代替になる可能性にも言及。ただ、現在のところ多くの信用ひっぱく兆候は見られないとした。

ボウマン理事はインフレの水準が依然容認できないほど高く、インフレ抑制のために追加利上げが必要だとの見解を表明。総合インフレ率が低下しているが、「まだやるべきことがある」とした。コアインフレは22年の秋以降、横ばいだと指摘し、インフレが持続的に鈍化軌道にある兆候が必要であると主張した。

一方、アトランタ連銀のボスティック総裁は本年のFOMCで投票権を持たないが、追加利上げのハードルは数カ月前よりも高いとし、自分のシナリオでは年内金利据え置きを予想していることを明らかにした。ただ、24年の利下げは予想していない。

他国中銀もインフレ制御が難航しタカ派姿勢を維持。カナダ中銀は利上げを再開。英中銀やノルウエー中銀は予想外の大幅利上げを実施した。スイス中銀は25BPの利上げにとどめたが、総裁は一段の利上げの可能性を示唆。世界的なインフレ圧力もFRBの追加利上げを後押しする可能性がある。

■世界各国中銀の政策(6/22)
英中銀:0.5%利上げ(予想0.25%)、5%
スイス中銀:0.25 %利上げ、1.75%、追加利上げ高い可能性
ノルウェー中銀:0.5%利上げ(予想0.25%)、3.75%
トルコ中銀:6.5%利上げ(予想11.5%)15%《CS》

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