ネオジャパンは24年1月期1Q大幅増益、通期減益予想据え置きだが上振れの可能性

2023年6月15日 12:37

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記事提供元:日本インタビュ新聞社

(決算速報)  ネオジャパン<3921>(東証プライム)は6月14日の取引時間終了後に24年1月期第1四半期連結業績を発表した。クラウドサービスが牽引して増収・大幅増益だった。通期予想は据え置いて、広告宣伝費や人件費の増加などの影響で減益予想としている。TVCMなどの広告宣伝投資を第2四半期および第3四半期に実施する計画としている。ただし第1四半期の好調を勘案すれば、通期会社予想は増収効果で上振れの可能性がありそうだ。積極的な事業展開で収益拡大基調を期待したい。株価は安値圏だが底固め完了して下値を切り上げている。第1四半期の業績を評価して出直りを期待したい。

■24年1月期1Q大幅増益、通期減益予想だが上振れの可能性

 24年1月期第1四半期連結業績は、売上高が前年同期比9.9%増の16億45百万円、営業利益が27.2%増の3億93百万円、経常利益が22.5%増の4億01百万円、親会社株主帰属四半期純利益が21.9%増の2億69百万円だった。クラウドサービスが牽引して増収、大幅増益だった。

 ソフトウェア事業(クラウドサービス、プロダクト、技術開発の合計)は売上高が9.7%増の11億49百万円、セグメント利益(調整前営業利益)が28.0%増の4億12百万円だった。クラウドサービスの利用ユーザー数が順調に増加した。

 クラウドサービスの売上高は11.4%増の7億16百万円だった。内訳はグループウェアdesknet‘s NEOクラウドが10.3%増の5億94百万円、ノーコード業務アプリ作成ツールAppSuiteクラウドが31.1%増の39百万円、ビジネスチャットChatLuckクラウドが0.1%増の17百万円、その他月額売上が2.0%増の50百万円、その他役務作業等が90.4%増の14百万円だった。

 プロダクトの売上高は7.8%増の4億15百万円だった。内訳はライセンス売上合計が18.0%増の1億24百万円、サポートサービスが6.0%増の2億06百万円、カスタマイズが98.1%増の31百万円、その他役務作業等が23.9%減の52百万円だった。サポートサービスはdesknet‘s NEOを中心に伸長した。技術開発は積極的な受注活動を行っていないため、売上高は7.7%減の17百万円だった。

 システム開発サービス事業(子会社Pro-SPIRE)は、売上高が10.3%増の5億01百万円となり、セグメント利益が42.9%増の11百万円だった。主要顧客の体制縮小の影響で減収傾向が続いていたが、前期第4四半期から回復傾向が継続した。海外事業はコロナ禍影響が和らいで売上高が321.2%増の3百万円だが、セグメント利益は30百万円の損失(前年同期は21百万円の損失)だった。

 通期連結業績予想は据え置いて、売上高が23年1月期比5.9%増の63億59百万円、営業利益が24.4%減の9億37百万円、経常利益が28.8%減の9億51百万円、そして親会社株主帰属当期純利益が22.6%減の6億29百万円としている。配当予想は23年1月期比3円増配の23円(期末一括)としている。株主優待制度廃止に伴う株主優待制度のコスト見合い1円50銭に、1円50銭を加えて合計3円増配とした。なお23年1月期の20円には創立30周年記念配当1円が含まれているため、普通配当ベースでは4円増配となる。予想配当性向は54.5%となる。

 売上面はクラウドサービスが牽引して増収だが、利益面は認知度向上に向けてTVCMなどの広告宣伝投資を継続するため広告宣伝費が増加(通期ベースで前期比3億円増加の計画)することに加えて、従来以上の賃上げに伴う人件費増加なども影響して減益予想としている。

 なお、第1四半期の進捗率は売上高が25.9%、営業利益が41.9%、経常利益が42.2%、親会社株主帰属当期純利益が42.8%と高水準だったが、TVCMなどの広告宣伝投資を第2四半期および第3四半期に実施する計画としている。ただし第1四半期の好調を勘案すれば、通期会社予想は増収効果で上振れの可能性がありそうだ。積極的な事業展開で収益拡大基調を期待したい。

■株価は底固め完了して下値切り上げ

 株価は安値圏だが底固め完了して下値を切り上げている。第1四半期の業績を評価して出直りを期待したい。6月14日の終値は974円、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS42円20銭で算出)は約23倍、今期予想配当利回り(会社予想の23円で算出)は約2.4%、前期実績連結PBR(前期実績の連結BPS383円36銭で算出)は約2.5倍、そして時価総額は約145億円である。(情報提供:日本インタビュ新聞社・株式投資情報編集部)

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