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HEROZ、AI実装の専門部隊を発足 大規模言語モデルを最大限活用し、非連続な変革の支援と成長を図る
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目次
IR担当:HEROZ株式会社でございます。これより、2023年4月期の通期決算についてご説明申し上げます。
本日の目次です。
決算ハイライト
決算ハイライトをご説明します。
第1に、2023年4月期の業績サマリです。オーガニックの成長に加えて、今期よりバリオセキュア株式会社および株式会社ストラテジットの連結子会社化により、売上高は29億8,000万円と前期比で101パーセントの増収、EBITDAも6億900万円と、前期比222パーセントの増益を実現しました。
第2に、2024年4月期の業績予想です。当社が展開するすべての事業において、オーガニックの成長を見込んでおり、売上高は前期比61パーセントの増収となる48億円、EBITDAは前期比31パーセントの増益となる8億円を見込んでいます。オーガニックの成長だけでなく、非連続な成長を実現していくため、引き続き、M&Aの実現を推進していきたいと考えています。
第3に、株式会社ウィルズとの業務提携及び株主優待制度の導入についてです。「IR活動の充実を通じた資本市場の効率化」と「上場企業の企業価値の最大化」を目的に、ウィルズ社との業務提携を締結しました。両社にて、AIを活用した事業を展開していきます。
また、株主優待については、ウィルズ社が提供するプレミアム優待倶楽部を導入し、「HEROZ・プレミアム優待倶楽部」を設立します。こちらは700株以上保有している株主さまに、株主優待ポイントを付与するものです。
当社が重視する重要な業績指標
2023年4月期の業績をご報告します。当社は事業収益性に関する業績指標として、EBITDAを重視しています。EBITDAは、営業利益に各種の非資金費用を加算し、算出しています。この非資金費用として、減価償却費、株式報酬費用、のれん償却費、敷金償却、棚卸資産評価損を含めています。
のれんについては監査法人と協議の上、バリオセキュア社に関するのれんの金額は21億円、償却期間は14年、ストラテジット社に関するのれんの金額は2億円、償却期間は9年となりました。
また、AI SaaSに関する業績指標として、ARR、リカーリング売上比率、解約率を重視しています。これらの指標は、いずれもSaaS型事業を推進する上で重要な指標となります。今後、当社はAI SaaS事業を積極的に伸ばしていくことで、高い収益性を確保しつつ、事業成長を加速していきたいと考えています。
業績サマリー:M&Aを通じて大幅な成長を実現
業績サマリーです。売上高は29億8,000万円で前期比プラス101パーセントの成長、EBITDAは6億900万円で前期比プラス222パーセントの成長、営業利益は2億5,700万円で前期比プラス641パーセントの成長と、いずれの指標においても大幅な成長を実現できました。
当社がAI SaaS戦略を推進する上で重視している指標として、ARRは28億1,600万円で前期比プラス371パーセント、リカーリング売上比率は58パーセントで前期比プラス19ポイントとなりました。リカーリング解約率は、主要な売上構成であるAI Securityサービスにおいて0.5パーセントと、非常に低い解約率となっています。
これらの実績は、オーガニックの成長に加え、2社のM&Aを通じた非連続的な成長を実現してきた成果となります。
2023年4月期 通期連結業績(累計)
2023年4月期の通期連結業績の概要です。先ほどのハイライトでもお伝えしたとおり、前期比で大幅な成長を実現できたことに加え、従前より開示していた業績予想についても、いずれの数値も達成しました。
主要な業績KPIの推移(四半期別)
売上高とEBITDAの各四半期の推移です。第4四半期の売上高は11億円となりました。なお、第4四半期においては、連結子会社であるストラテジット社が決算期の変更を行った影響で2ヶ月分のみを連結しています。
そのため、売上高とEBITDAの棒グラフはともに、第4四半期が第3四半期よりも低くなっていますが、仮に3ヶ月分の連結を行った場合は、第3四半期よりも成長しています。
リカーリング売上比率は大幅に上昇
当社はAI SaaS戦略を掲げ、リカーリング売上比率を今後重視し、売上の質を追求していきます。
現在、リカーリング売上の割合は、当社の売上の3分の2程度が毎月計上されるような安定的なものとなっています。今後、事業構造の変革を一層進めていきたいと考えています。
ARRも大幅に増加し、グループのARRは28億円にまで成長
前述したとおり、2社のM&Aにより、ARRは当四半期において28億1,600万円となり、前期比371パーセント増の大幅な成長を実現できました。引き続き、リカーリングの売上高を増加させていくことで、ARRを継続的に成長させていきます。
リカーリング売上の内訳及び解約率について
当社のリカーリング売上では、AI Security事業のマネージドセキュリティサービスの売上比率がもっとも高くなっています。このマネージドセキュリティサービスにおける解約率は、スライド右側のグラフに記載のとおり、1パーセントを下回る状態が継続しており、当社のリカーリング売上は非常に安定したものとなっています。
セグメント別業績:2023年4月期 通期
前四半期より、連結のP/Lの開示に伴い、セグメント情報を開示しています。主なセグメントは、従来の当社の事業にストラテジット社を加えたAI/DX事業と、M&Aを行ったバリオセキュア社が展開するAI Security事業の2つとなります。
AI/DX事業の売上高は、前期比プラス13.6パーセントの成長を実現し、M&Aの影響を除いてもプラス6パーセントの成長を実現しました。また、EBITDAマージンは39パーセントで、非常に高い収益性となりました。
AI Security事業の売上高は12億9,700万円となり、EBITDAマージンは44パーセントと、こちらも高い収益性を維持しています
AI/DX事業セグメント
AI/DX事業セグメントでは、「将棋ウォーズ」を中心としたBtoCビジネス、顧客のAI開発を担うBtoBビジネス、そして新たにグループ入りしたストラテジット社が展開するSaaS導入や、SaaS連携開発事業を展開しています。
当セグメントにはソリューション型ビジネスも一定程度あり、リカーリング売上比率は36パーセント程度となっています。一方で、EBITDAマージンは39パーセントと高い利益率を維持しています。
AI Security事業セグメント
AI Security事業セグメントにおいては、グループ入りしたバリオセキュア社が展開するセキュリティ事業に、当社グループのAIを実装していく事業を展開しています。当セグメントのリカーリング売上比率は86.4パーセントと非常に高くなっており、安定した売上高の確保・維持を実現できています。
また、EBITDAマージンも44パーセントと非常に高い収益性を実現しています。この水準を維持しつつ、事業成長を実現していきます。
2023年9月頃には、バリオセキュア社のセキュリティオペレーションセンターに当社のAIを導入し、運用業務の効率化を図っていく予定です。こちらを着実なコスト削減につなげていきたいと考えています。
貸借対照表(2023年4月末)
貸借対照表です。前期末からの増減についてご説明します。2社のM&Aにより、無形固定資産にのれん残高の23億円を計上しました。現金及び預金は37億9,800万円と引き続き高い水準で、こちらを事業拡大に向けたM&Aに積極的に充当していく予定です。
2024年4月期 連結業績予想
2024年4月期の連結業績予想です。売上高は前期比61パーセント増の48億円、EBITDAは前期比31.2パーセント増の8億円、営業利益は前期比55.1パーセント増の4億円を予想しています。
オーガニックの成長に加え、連結決算により、バリオセキュア社とストラテジット社が通期で貢献することにより、引き続き高い成長を実現できる見込みです。
株式会社ウィルズとの業務提携について
株主優待制度の導入についてご説明する前に、本日、株式会社ウィルズとの業務提携に合意した旨をお伝えします。両社でIR活動の充実を通じた資本市場の効率化や上場企業の企業価値の最大化を目的に、当社が開発するAIを活用していく予定です。
業務提携の内容としては、ウィルズ社が提供する「IR-navi」に当社が開発する「企業の経営診断AI(仮称)」を搭載し、上場企業へ提供していくことを予定しています。
また、当社による「プレミアム優待倶楽部」に関するAIツールの開発のほか、両社による販売協力や新サービスの企画・開発を行う予定です。
株主優待制度の概要
株主優待制度の概要です。業務提携を推進するウィルズ社が提供している「プレミアム優待倶楽部」を導入し、「HEROZプレミアム優待倶楽部」を新設します。
こちらは、2023年10月末日時点で当社の株主名簿に記載または記録された、700株以上を保有している株主のみなさまを対象に開始します。以降は、毎年4月末または10月末日時点で当社の株主名簿に記載または記録された700株以上を保有の株主のみなさまが対象となります。
保有しているポイント数に応じて、5,000種類以上の商品との交換が可能となります。当社が提供している「将棋ウォーズ」の将棋AI「棋神」等の利用権との交換も可能で、将棋の世界で起きたAI革命を身近な存在としてみなさまに感じていただきたいと考えています。
株主優待ポイント数
株主優待におけるポイント付与数です。最低700株以上を保有の方に、スライドの表に記載のとおり、ポイントを付与します。特に2,000株・20単位以上を保有している株主のみなさまには、2万5,000ポイントを付与します。
4月1日から5月末までの2ヶ月間の平均株価をベースにした年率換算では、2パーセント前後の想定利回りとなるため、ぜひご検討ください。
グループの事業構造(事業セグメント)
各セグメントの取り組み状況をご説明します。当社はAI/DX事業とAI Security事業の2つを展開しています。
AI/DX事業における取組
AI/DX事業における取り組み状況です。2023年4月期においては、BtoC事業の主力商品である「将棋ウォーズ」において、累計の対局数が8億回を突破しました。また、プロ棋士にも活用されている、AIによる棋譜解説ツールの提供を開始しました。
BtoB事業においては、営業組織の発足に伴い新規顧客数が増加しているほか、生成AI関連での引き合いも増加しており、AIに関する注目度の高まりを感じています。
2024年4月期の取り組み事項としては、第1にLLM専任部隊を組成し、AIトランスフォーメーションの推進を図ります。
従来は個別にカスタマイズしたAIの提供が主流でしたが、「ChatGPT」等の大規模言語モデル(通称LLM)の発展に伴い、当社も企業の実業務に適したかたちで活用できるCustomized ChatGPTをSaaS型で提供する「HEROZ Knowledge System built with ChatGPT」の提供を開始します。
第2に、「将棋ウォーズ」経済圏の確立に取り組みます。「将棋ウォーズ」の安定的な成長に加え、今期は「棋神ラーニング」のリリースを予定しています。「学ぶ」「対局」「棋譜の分析」を通じた将棋プラットフォームの提供により、「将棋ウォーズ」経済圏の確立を目指します。
第3に、当社グループ会社のストラテジット社において、SaaSを提供する企業に必要なサポートを提供するプラットフォーム「JOINT(ジョイント)」をリリースしました。
今後もSaaS市場の拡大に貢献していきたいと考えています。
Digitalトランスフォーメーション(DX)からAIトランスフォーメーション(AIX)へ
現在、デジタルトランスフォーメーションの推進が企業の重要課題となっています。
このデジタルトランスフォーメーションの推進にはステップがあります。まず、アナログデータのデジタル化であるデジタイゼーションを進め、その上で業務プロセスをデジタル化するデジタライゼーションを行い、最終的にはビジネスモデル自体を変革するデジタルトランスフォーメーションにつなげていくことが重要です。
Generative AIの応用に特化した専門部隊(LLM Group)を発足
当社はこれまで、AIの開発を通じてデジタルトランスフォーメーションの推進を支援してきました。しかしながら、昨今のOpen AI社が提供する「ChatGPT」等の大規模言語モデルの進化により、自然言語による指示ができる世界が実現され、デジタル化のための漸近的なプロセスは不要になることも想定される自体となっています。
また、大規模言語モデルにより、誰でもAIを使える時代になってきており、AIの民主化、AIデモクラシーが起きていると言っても過言ではありません。今後は、従来のデジタルトランスフォーメーションの推進から、AIをいかに活用してビジネスモデルの変革を早期に実現するかという、AIトランスフォーメーションが重要になってくると考えています。
当社は積極的に大規模言語モデルを活用し、企業の非連続な改革を支援していきます。なお、このような大規模言語モデルはLLMと省略されますが、当社ではこのLLMを促進するための専門部隊を発足しました。
「ChatGPT」をはじめとしたさまざまなGenerative AI(生成AI)の技術を、当社が推進するAI SaaS戦略の中心として位置づけ、社会のAIトランスフォーメーションを加速させることを目指していきます。
「HEROZ Knowledge System built with ChatGPT」の提供を開始
本年4月4日に「HEROZ Knowledge System built with ChatGPT」の提供を開始しました。「ChatGPT」を実際に業務に活用するためには、そのままでは不十分です。そのため、当社では最新の情報や企業内の情報を学習させた「ChatGPT」のカスタマイズを通じて、企業のAIトランスフォーメーションの実現を支援していきます。
AI SaaS型のSolutionでChatGPT導入を提供開始
当社は、SaaS戦略の根幹にGenerative AIを添えていきます。目指す方向性は3つで、1つ目は各企業内の規定や文書を用意するだけで、構築不要ですぐに利用可能になるようにすることです。
2つ目はChatbotの調整に必要な機能をSaaS化することで外部連携を容易にし、ユーザー側で完結できるようにすることです。
3つ目として、今後は音声や画像の生成など、さらなるGenerative AI Solutionも随時SaaSとしてバンドル予定です。
NTTマーケティングアクトPro CX および、USEN-NEXT HOLDINGSと共同で、ChatGPTを活用し、人と生成AIを融合した「次世代型コンタクトセンター」プロジェクトを始動
本年5月30日にリリースしたとおり、NTTマーケティングアクトProCX社およびUSEN-NEXT HOLDINGS社と共同で「ChatGPT」を活用し、人と生成AIを融合した「次世代型コンタクトセンター」プロジェクトを始動します。
このプロジェクトの推進を通じて、コンタクトセンターの生産性向上だけでなく、従業員体験や顧客体験のさらなるシームレスな向上を目指していきます。
「dlshogi with HEROZ」が世界コンピュータ将棋選手権の2連覇を達成
当社のAIの技術力を示すものとしては、将棋AIが有名です。今年のゴールデンウィークに開催された第33回世界コンピュータ将棋選手権にて、当社のAIエンジニアメンバーで構成されたチームが、昨年に引き続き2連覇を達成しました。
当社のエンジニアは、過去に何度も優勝していますが、従来の探索系AIではなく、ディープラーニングを活用した将棋AIを開発して世界一になったことが、当社のAI技術力の高さを示しています。
当社が提供する将棋解析サービス「棋神アナリティクス」にも、今回の優勝バージョンを反映していく予定です。こちらは主にプロ棋士向けに提供し、将棋界の進化を支えていきます。
SaaSを企画/構築/運用するプラットフォーム「JOINT」をリリース
当社のグループ会社であるストラテジット社にて、2023年5月18日に「JOINT」をリリースしました。この「JOINT」の開発を通じて、SaaSを提供する企業のビジネスパートナーとして、連携アプリの開発やアプリストアの構築、APIの開発等を提供していきます。
SaaS市場は引き続き成長すると想定しているため、「JOINT」を通じてSaaS企業の成長を支援していきます。
AI/Security事業の取組
AI/Security事業の取り組みをご説明します。事業内容や取り組みの詳細については、バリオセキュア社が開示している決算説明資料をご確認ください。
2024年4月期は、主に3つの取り組みを予定しています。1つ目は、マネージドサービスの対応領域の拡大です。従来のゲートウェイセキュリティに加えて、LANからクラウドまで対応領域を拡大し、他社商材のマネージドサービスも提供していきます。
2つ目は、 成長セキュリティ市場への参入です。従来の境界防御型のサービス提供に加えて、ゼロトラストセキュリティ領域のサービスを開発します。
3つ目は、新規営業体制の強化です。従来の代理店経由の販売網だけでなく、ダイレクトセールスの体制を構築していきます。
方針① マネージドサービスの対応領域拡大・競争力強化
各取り組みの方針です。1つ目の方針として、マネージドサービスの拡充を図ります。バリオセキュア社は、中小企業向けのセキュリティーサービスで国内トップシェアを誇り、顧客のセキュリティ運用管理業務を担っています。
従来のゲートウェイセキュリティサービスのみならず、LANやクラウドに加え、他社商材のセキュリティも運用管理の対象として拡大していきます。
方針② 成長セキュリティ市場への参入
2つ目の方針として、成長セキュリティ市場への参入を掲げています。この数年のコロナ禍の影響を受け、リモートワークの働き方が浸透したことで、会社とインターネットを結ぶ境界を防御するだけでは、セキュリティの確保が困難になってきています。
この環境の変化を踏まえ、すべての端末等を守っていくゼロトラストセキュリティのサービスを開発していきます。
方針③ 既存販売網と異なる新規営業体制の強化
3つ目の方針として、新規営業体制の強化を図ります。これまで構築してきた安定的な代理店経由を中心とする販売体制に加えて、オンラインマーケティング、インサイドセールスへの積極的な投資により、ダイレクトセールス体制を構築していきます。
以上をもちまして、2023年4月期の通期決算説明会を終了させていただきます。
代表取締役Co-CEO 林氏からのご挨拶
本日ご説明したとおり、大規模言語モデル(LLM)の浸透により、すべての人がAIを活用する時代となってきました。当社は、その時代の先駆者としてLLMを事業の根幹に据え、AI SaaS戦略を推進し、大きく成長していきたいと考えておりますので、ぜひ引き続きご支援をいただけますと幸甚です。ご清聴いただき、誠にありがとうございました。
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