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日本株好調の要因は?
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●日経平均がバブル期以来の高値
日経平均は5月22日に終値で3万1000円を超え、バブル景気の1990年8月以来、約33年ぶりの高値となった。
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翌日は先端半導体製造装置の輸出規制報道や一部の国内年金基金の大口売り報道があり反落したが、好調さを持続している。
欧州も政治不安、新興国も中国問題、米国も利上げのスケジュールが不透明で、SVBに端を発した金融危機、債務上限問題と問題が山積で伸び悩む中、日本株が独り勝ちの様相を呈している。
かつては米国がくしゃみをすると日本が風邪をひくと言われてきたが、日本株の好調さの要因はなんだろうか?世界の時価総額の上位を日本株が独占していた平成バブルのような、“令和バブル”が到来するのだろうか?
●考えられる好調の要因
1つは2023年3月期の上場企業の決算が軒並み好調であったことが挙げられる。ようやく脱コロナとなり、GDP(国内総生産)の個人消費が好調であったことも好感されている。
旅行支援は継続され、インバウンドもようやく戻りつつある。出遅れていた銘柄も買いが入っている。
もう1つは、世界の半導体メーカーによる日本への投資が活発となっている点である。対中国のリスク管理もあり、経済安全保障の面からも米国・韓国・台湾などの投資提案が活発化している。
そして、植田新日銀総裁も緩和継続の姿勢を鮮明にしており、世界中が引き締めに向かう中、日本だけが緩和していることも大きい。
●どこまで続くのか?
日本は常に悲観論が先行することが多いが、日本株が買われる要素は客観的に見ても多い。
PBR1倍割れ是正のための自社株買いや、個人投資家が買いやすい金額にするための株式分割など、東証による上場企業への働き掛けは海外投資家からも好感されている可能性が高い。
ただし、いつまでも続くという楽観論は危険である。
中国の景気や米国の金融危機などの外部要因で売られるリスクも否定できない。日銀の金融緩和も出口戦略が意識されると、また売られることも十分考えられる。
だがバブルの時のような狂乱はなく、地道な投資をしていれば、大きな損をすることもなさそうである。(記事:森泰隆・記事一覧を見る)
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