NYの視点:米4月ISM製造業指数は依然縮小域、価格は急伸でFRBの追加利上げ正当化

2023年5月2日 07:38

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記事提供元:フィスコ

*07:38JST NYの視点:米4月ISM製造業指数は依然縮小域、価格は急伸でFRBの追加利上げ正当化
米4月ISM製造業景況指数は47.1と、3月の3年ぶりパンデミック以降の低水準となった46.3から予想以上に改善した。ただ、活動の拡大と縮小の境目50を6カ月連続で下回った。2009年以降で最長となる。主要項目の新規受注は45.7と3月44.3から上昇も8カ月連続の50割れで活動縮小となった。企業は価格動向、将来の顧客需要に確信を持てていない。ISM製造業調査委委員長は新規受注が引き続き低迷しており、調査に回答した企業は製造業の成長がいつ回復するかを引き続き懸念していると、言及。

同指数の支払い価格は53.2と3月49.2から低下予想に反し上昇し昨年7月来で最高となった。4月に原油価格が再び上昇したことが原因となった可能性がある。景気縮小が継続すると同時に、価格が上昇しスタグフレーションの証拠となった。また、雇用は50.2と、3カ月ぶり50台を回復。価格の上昇とともに労働市場も依然強い証拠となり。米連邦準備制度理事会(FRB)の追加利上げを正当化する結果となった。


■米4月ISM製造業景況指数:47.1(3月46.3)
新規受注:45.7(44.3)
受注残:43.1(43.9)
在庫:46.3(47.5)
生産:48.9(47.8)
支払い価格:53.2(49.2)
雇用:50.2(46.9)
輸出:49.8(47.6)
輸入:49.9(47.9)

短期金融市場では5月連邦公開市場委員会(FOMC)で25BP利上げを95%織り込んだ。同時に年内の利下げも織り込んでいる。《CS》

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