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NYの視点:米3月雇用統計伸び鈍化も警戒された程弱まらず、追加利上げを後押し
*07:38JST NYの視点:米3月雇用統計伸び鈍化も警戒された程弱まらず、追加利上げを後押し
労働省が先週発表した最新3月雇用統計では失業率が予想外に低下し引き続き歴史的にも低水準を維持したほか、雇用者数も前月から伸びが鈍化したものの予想を小幅上回り、労働市場が引き続き堅調な証拠となった。
JOLT求人件数が予想を下回ったほか、週次失業保険申請件数が予想を上回るなど、雇用統計の先行指標が労働市場の減速を示唆していたためネガティブサプライズへの警戒感もあったが、比較的強い結果となったため5月の25BPの利上げ観測が強まった。世界の景気見通しの改善も米国経済の成長にプラスに寄与する。世銀のマルパス総裁は中国経済の活動再開などを理由に23年の世界経済の見通しを上方修正。アトランタ連銀は米国1-3月期の国内総生産(GDP)成長見通しで2%台の成長を予想している。さらに、金融危機への不安も収まりつつあることも成長にプラス材料になる。連邦住宅貸付銀行(FHLB)が3月最終週に発行した債券が370億ドルと2週間前の3040億ドルから急減したと関係筋の話として報じられ、米銀巡る危機緩和の兆候と見られている。
連邦準備制度理事会(FRB)がインフレ期待指数としてミシガン大消費者信頼感指数の期待インフレと同じく注視しているNY連銀の3月調査でのインフレ期待は、1年が4.7%と、2月の4.2%から0.5%上昇した。ガソリン価格の下落に連れ、インフレ期待が低下しつつあったが昨年10月以降初めて上昇。3年も2.8%と2月2.7%から上昇した。一方、5年は2.5%と2月2.6%から低下した。
・NY連銀3月調査
「インフレ期待1年:4.7%(2月4.2%)、3年2.8%(2月2.7%)、5年2.5%(2月2.6%)」
金融政策決定において、FRBはインフレ期待動向を重要視。先週の雇用統計の比較的強い結果に続き、インフレ期待の上昇で、5月連邦公開市場委員会(FOMC)での0.25%の利上げをさらに正当化。6月の追加利上げのリスクを指摘する市場関係者も浮上した。
米2年債利回りも再び4%台に達するなど、ドルも下げ難い展開か。《CS》
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