SVB破綻の余波はどこまで及ぶ?

2023年3月14日 16:41

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●シリコンバレー銀行(SVB)が破綻

 10日、カリフォルニア州のシリコンバレーにあり、40年の歴史を持つシリコンバレー銀行(SVB)が破綻した。

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 銀行破綻の規模は2090億ドル(約28.27兆円)となり、2008年のリーマンショック以来の大きさとなる。

 これを受けて、S&P500は約4.5%、ナスダックも約3.5%以上下落。翌週13日の日経平均も一時700円超下落するなど、マーケットに激震が走っている。

 さらなる米国の利上げが必要という流れになっていた中での今回の破綻劇は、リーマンショック、2020年のコロナショック以来となる、マーケットの大きな転換点になるのだろうか?

●SVBとは?破綻の原因は?

 SVBは、カリフォルニア州サンタクララという、AppleやGoogleなどの巨大テクノロジー企業が集まるシリコンバレーの中心に拠点を置いている。

 多くのテクノロジー企業との取引があり、シリコンバレーの企業も、多数が取引している。起業にも積極的に資金を投入しており、スタートアップの過程で欠かせないピースである。

 3月8日にベッカーCEOが発表した、証券の売却と増資を同時に行うという発表が投資家の不信感を招き、株価が急落。多額の預金の引き出しによる取り付け騒ぎで、一気に破綻に向かったのではとも言われる。

 直接の破綻要因ではないにしても、構造的には、この1年間の急激なFRBの利上げにより、資金調達などの財務面の悪化。保有する債権の損失などが影響していると考えられる。

●世界的な金融危機に発展?

 SVBと同時に仮想通貨企業と関係の深い米29位のシグネチャー銀行も破綻した。

 米国政府はSVBの全預金を保護する措置を打ち出し、日本政府も13日、松野官房長官が「日本の金融システムに影響を与える可能性は高くない」と語るなど、混乱が起きないよう火消しに回っている。

 今回は、SVB銀行の資金繰りや金利引き上げリスクへの管理が甘かったという指摘もあり、すぐに世界中の金融システムに飛び火するとは考えにくい。

 だが第2、第3のSVBが出てくるという疑心暗鬼もあり、取り付け騒ぎが頻発する恐れもある。

 SVB破綻で米国債2年債の利回りが5%台から一気に4%台前半まで下落するなど、株などのリスク資産から債権などの安全資産への流出が続くことも考えられる。

 3月に予定されているFOMCでも、大幅利上げの可能性は消えたとも言われている。

 FRBも利上げのロードマップを大きく見直さざるを得ず、これが株式市場への影響がどうなるかはまだまだ分からない。(記事:森泰隆・記事一覧を見る

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