コロナ破たん、過去最多を大幅に上回るペース 実質賃金下落も不安材料 東京商工リサーチ

2023年3月14日 08:51

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 東京商工リサーチは13日、新型コロナウイルスの影響で破たんした国内事業者数について、3月は既に137件が確認されたと発表した。1日当たり10.5件ペースで、月別で過去最多だった2月の8.8件や、2番目に多かった1月の7.9件を大幅に上回る。

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 韓国等からのインバウンドの回復や中国からの渡航者向け水際対策の緩和を受け、関連する上場企業の株価が好調なのとは対照的だ。実質賃金が大幅に下落するなど景気の先行きに不透明感も強まりつつある。

 厚生労働省の発表によれば、13日に確認された都内の感染者数は313人で、1週間前の同じ曜日から322人減った。

 減少傾向が続く中、13日からマスク着用ルールが緩和された。日本経済新聞の調査によれば、品川駅前と渋谷スクランブル交差点ではいずれも、大半の歩行者が引き続きマスクを着用していたが、一方で着用率は先週金曜より数パーセント下がった。花粉症シーズンでもあり、脱マスクまでしばらく時間がかかりそうではあるが、コロナからの正常化は確実に進んでいる。

 コロナからの正常化に加え、韓国等からのインバウンドの回復を受け、関連銘柄の株価が好調を維持している。中でも、百貨店や家電量販店は年初来の株価上昇が目立つ。円安相場の長期化も予想されており、インバウンドで売上が底上げされる関連銘柄にとって好材料となっている。

 一方、中小事業者におけるコロナ影響での破たんは増勢を強めている。3月は13日時点で137件が確認されており、1日当たりの破たん件数では、これまでで最多の8.8件(2月)を大幅に上回る10.5件ペース。負債1,000万円未満の小規模倒産を加えた累計の破たん件数は5,759件に達した。破たん企業(負債1,000万円以上)が雇用していた従業員数の累計は、判明している数だけで4万8,775人となった。

 破たんペースが加速している背景には、いわゆるゼロゼロ融資の元本返済、物価高、人材不足などがある。今後、中国からのインバウンドが戻ることで、中小事業者の業績がコロナ前の水準まで回復することが期待される。一方、7日に厚生労働省が発表した1月の実質賃金は前年同期比で8年8カ月ぶりの大幅下落となった。日本の家計の購買力が下がることでインバウンドの恩恵を打ち消すような事態が懸念される。(記事:dailyst・記事一覧を見る

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