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2023年、「リスキリング」が副業収入アップの鍵に その理由とは?
副業を始めたが、なかなか収入が増えず悩んでいる人もいるだろう。2023年、副業収入増を成功させるには、「リスキリング」が鍵になるかもしれない。本記事では、リスキリングと副業の関係について紹介する。
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■リスキリングは副業とも関係性が強い
リスキリング(Re-skilling)とは、直訳すると「技術(スキル)の学び直し」や「再習得」となる。だが実際には、職業能力の再教育や再開発の意味合いで用いられる傾向が強い。リスキリングが注目される背景には、日本のDX化の遅れがある。
DX(デジタルトランスフォーメーション)とは、ビジネスや行政などをはじめ、我々の生活に関わる多くの物事のデジタル化だ。特にビジネスシーンでは国際競争の観点から、DX化は直近の最重要課題のひとつである。
しかし日本では、DX化に不可欠なデジタル人材が足りていない。業界による人材の偏りの解消、そしてDX化に伴う労働環境の変化を理由に、既存の人材に対するデジタル技術のリスキリングが必要になってきている。
2021年2月、経済産業省の審議会で「リスキングとは -DX化時代の人材戦略と世界の潮流」という資料が発表された。DX化の推進に伴い、政府も積極的にリスキリングを奨励している。それを表すかのように、政府は2022年10月にリスキリング支援への投資(5年間で1兆円)を発表した。
リスキリングに似た用語に、「リカレント教育」や「生涯学習」がある。「リカレント教育」とは、大学などの教育機関で行う、能動的なスキル習得である。「生涯学習」も同様に、労働者自身による能動的な学びの性格が強い。
一方、リスキリングは企業などによって行われ、労働者側は受動的な傾向がある。だがその定義も拡大してきており、OJTから離れた学びも含まれるため、今後はこれらの用語の違いは曖昧になるかもしれない。
つまり、副業におけるスキル習得も一種のリスキリングに当たるのだ。現在持っているスキルの学び直しだけでなく、むしろ新しい分野のスキル習得の意味合いが強い。そのため、リスキリングと副業には強い関係性がある。
■リスキリングで副業収入増に成功したとの調査結果
2月8日、クラウドワークスは「副業×リスキリングに関する調査」を発表した。この調査によれば、副業者の54.5%がリスキリングで収入増に成功したと回答。さらに、そのうち半数が年間10万円以上副業収入を増やしていた。
調査には受講した教育プログラムについての質問があり、最も多かった回答は、会社が用意したプログラムだった。回答の中には、社外の有償プログラムへの自費参加があり、副業者は26.3%が参加したと回答しており、非副業者に比べ約2倍だった。つまり、副業者の方が能動的にリスキリングしていたのである。さらに副業者の55.6%は、リスキリングによって本業収入もアップしたと回答していた。
2022年9月、パーソルキャリア(転職サービス「doda」を提供)が運営するプロ人材活用支援サービス「HiPro」は、リスキリングに関する調査結果を発表した。これによれば、副業者全体の56.0%がリスキリングに取り組んでいると回答。さらに、副業年収300万円以上の副業者に限定すると、58.7%がリスキリングを行っていた。
異なる2つの調査結果が示すように、リスキリングは副業収入アップの鍵となっている。リスキリングに主体的に取り組んでいる副業者ほど、年収増にも成功しているのだ。それは副業に限らず本業も含まれ、全体の収入増に繋がる好循環を生んでいる。
クラウドワークスの「副業×リスキリングに関する調査」には、リスキリングによる働き方の変化の有無についての質問があった。回答者の36.4%(およそ3人に1人)は副業を開始。必須参加の社内教育プログラムがきっかけとなり、リスキリングから副業に繋がっているのだ。気が進まないリスキリングであっても、キャリアや生活を大きく変化させる可能性を持っている。(記事:西島武・記事一覧を見る)
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