セルロース・ナノファイバーで半導体特性を発見 東北大の研究

2023年1月18日 11:14

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記事提供元:スラド

あるAnonymous Coward 曰く、 東北大の発表資料です。半導体を試作、特性を実測したというのではなく、N型負性抵抗が発現したことを確認したそうです。LSIは無理でも、ナノファイバーを積層してセレン整流器もどきなら作れるか?

 東北大学未来科学技術共同研究センターの研究チームは10日、セルロースナノファイバー(CNF)組織を制御したナノサイズのシート材にn型半導体特性が発現することを見つけたと発表した(東北大学未来科学技術共同研究センターリリース東北大学リリースマイナビ)。

研究チームはこれまでの蓄電体機能に関する成果から、絶縁体である紙・セルロースが、CNFのような微細構造体として組織化することで、電荷分布や電子移動を発現できることを予測していたとされる。実験では、西アフリカ原産の1年草であるケナフから作成された「アモルファス ケナフ セルロースナノファイバー」(AKCF)を作製し、AKCFを利用した繊維径10~30nmのシートにアルミニウム電極を密着させてデバイスを作製、その性質を測定したところ電圧制御による電圧誘起半導体的特性が出現したとしている。

これまでの高価な高純度シリコン(Si)素材やレアメタルを用いた化合物半導体と異なり、低廉で無害のバイオ素材による半導体作製の可能性を示したことになる。日本に豊富に存在する森林資源を活用することで、植物由来の半導体によるペーパーエレクトロニクスの実用化が期待できるとしている。

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