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SpaceXと米国立科学財団、Starlinkによる天体観測への悪影響防ぐ協力に合意
headless 曰く、 SpaceX と米国立科学財団 (NSF) が Starlink 衛星コンステレーションの天体観測に対する悪影響を防ぎつつ、米国内で少しでも多くの場所にインターネットアクセスを提供するため協力していくことで合意したそうだ(NSF の発表記事、The Register の記事)。
地球低軌道に多数の小型人工衛星を展開してインターネットサービスを提供する Starlink のような衛星コンステレーションでは、衛星が天体観測を遮るほか、電波天文学の帯域と隣接した帯域で通信を行うことによる影響も懸念される。そのため、SpaceX と NSF は電波天文学で使用する 10.6 ~ 10.7 GHz 帯域への干渉を防ぐことで 2019 年に合意しており、これは Starlink 第 1 世代の連邦通信委員会 (FCC) による認可要件も満たす。2022 年に調印した新しい調整合意は Starlink 第 2 世代の認可要件を満たすものとなる。
新しい合意では可視光と赤外線を用いる地上の天文観測施設に対する影響を緩和するため、SpaceX が NSF の NOIRLab ならびにアメリカ天文学会の衛星コンステレーション (SATCON) ワークショップなどの勧告を満たすよう努めることや、天文観測施設が補償光学で用いるレーザーの衛星に対する影響をSpaceXが分析すること、電波天文学への影響を協力して調査することなどが挙げられている。
影響緩和のための勧告としては衛星の見かけの明るさを7等級またはそれよりも暗くすることや、軌道高度を 700 km 以下に保つこと、天文学者が観測をスケジュールできるよう軌道情報を公開することなどが含まれる。SpaceX は合意の一環として、第 2 世代 Starlink 衛星の明るさを抑えるためのハーフミラーフィルムや新しい黒色塗料などを開発したとのことだ。
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