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韓国の貿易赤字が示す、2023年の半導体
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●韓国の22年貿易赤字が過去最大
ロイター通信の報道によると、韓国の貿易赤字は2022年、過去最大の472億ドル(約6兆2300億円)になったという。
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2022年12月の輸出は3カ月連続で前年同月を下回ったとも報じられている。資源や原材料価格の高騰による輸入額の増加に対し、輸出額が追いついていないことが顕著となった。
韓国の輸出減少は、輸出先の中国における新型コロナウイルスの感染拡大による需要減少が大きく影響した。半導体が振るわなかったことも影響しているとみられる。
輸出の約20%を占め、サムスン電子を中心に世界的に高いシェアを誇る半導体大国・韓国が、過去最大の貿易赤字となったことは、半導体の今を知る1つの指標なのかもしれない。
●韓国企業と半導体
2020年からのコロナ禍の巣ごもり需要により、一気に需要が高まった半導体。
一方で、サプライチェーンの混乱や2022年のロシアによるウクライナ侵攻による材料不足で、供給面が追いつかず、世界的な半導体不足に陥った。
1980年代は日本が米国を抜いて、半導体の覇権を握り、一時は50%以上のシェアを誇っていた。米国の圧力や供給過剰で衰退していった日本メーカーを尻目に、韓国は、サムスン電子などが日本の技術者をヘッドハンティングするなどで技術を得る戦略が奏功し、半導体大国となった。
●2023年の半導体市場はどうなる
サムスン電子の2022年10~12月期は、営業利益が急減しており、半導体の減速に対する懸念は根強い。2023年もしばらくは厳しい見通しを示している。
新年の辞で韓国の尹大統領は、輸出拡大を優先課題とすると述べており、危機感を募らせている。
2022年7~9月期の利益が過去最高で好調だった台湾TSMCも、10月には半導体の在庫調整が続いており、2023年上半期の稼働率に影響が出るとC.C.Wei氏(CEO)が述べている。
コロナによる中国の混乱だけでなく、世界的な景気減速が半導体需要に歯止めをかけていることは明らかであり、少なくとも2023年前半は厳しい状態になるという見方が大勢である。
世界景気を知る上で、韓国だけでなく、半導体企業の動向が2023年前半は注目されるだろう。(記事:森泰隆・記事一覧を見る)
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