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NYの視点:米国が地対空ミサイルシステムのウクライナへの供与発表で緊張高まる
*07:30JST NYの視点:米国が地対空ミサイルシステムのウクライナへの供与発表で緊張高まる
報道によると、ロシア大統領府のペスコフ報道官は12月22日、米国がウクライナのゼレンスキー大統領の訪米中に地対空ミサイルシステム「パトリオット」のウクライナへの供与を発表したことについて、「紛争の解決に寄与せず、ロシアの目標達成が妨げられることはない」と述べた。米政府はウクライナに対し、広域防空用地対空ミサイルシステム「パトリオット」を提供する方向で最終調整していることが13日までに報じられていたが、提供することが正式に発表された。
ペスコフ報道官は、「ゼレンスキー氏は訪米中に(ロシアとの)和平交渉への意欲を示す兆しが全く見られなかった」と指摘している。ロシア政府は「米国がウクライナにパトリオットを供与した場合、ロシアによる攻撃の正当な標的になる」との主張を伝えており、ロシアと米国・ウクライナ間の緊張状態が緩和する兆しは全く見えない。なお、報道によると、欧州連合(EU)27カ国の首脳とウクライナのゼレンスキー大統領は来年2月3日に会議を開催するようだ。EU報道官によると、ゼレンスキー大統領はブリュッセルに招待されるようだが、同地で首脳会議が開催されるわけではなく、開催場所は未定となっている。識者の間からは「ウクライナの背中を押しているのは米国であるが、2023年は米国議会の勢力図が変わるため、ウクライナ支援が問題なく実行される保証はない」との声が聞かれている。
来年2月開催のEU首脳とゼレンスキー大統領の会談では、ロシアに対抗するウクライナへの支援の継続方法となるもよう。この会議が停戦合意の形成に寄与する可能性は低いとみられているが、欧州経済は一段と疲弊しつつあることから、ウクライナ支援のあり方について様々な提案が出てくることが予想される。《FA》
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