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赤色矮星を周回する岩石惑星には居住可能か? カリフォルニア大らの研究
しし座AD星のスーパーフレアの想像図(c) 国立天文台[写真拡大]
太陽は誕生から約50億年が経過した壮年期の恒星だが、あと数十億年後には赤色巨星化し、地球も飲み込まれる運命にある。これは遠い未来の話だが、いつかは無視できない深刻な問題となる。
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一方、赤色矮星は太陽に比べて小さく、寿命は数十兆年とはるかに長い。つまり赤色矮星の周りのハビタブルゾーンを周回する惑星を見つけて移住することが可能なら、これが地球生命の存続の危機を逃れる恒久的な解決策となる。
その可能性を占う研究が、カリフォルニア大学やNASAの科学者らを中心とする国際研究チームによって行われた。その研究成果は、科学論文サイト「arXiv」で公表されている。
この研究でターゲットとなったしし座AD星(別名:グリーゼ388)は、地球から16光年と比較的近くにあり、観測が容易な赤色矮星だ。この星のハビタブルゾーンを周回する惑星は見つかっていないが、素性がよく理解されている赤色矮星の代表格のため選ばれた。
研究ではハビタブルゾーンにあり、水が豊富にある仮想惑星6パターンと、水が乏しい仮想惑星3パターンを想定。気候変動シミュレーションを実施し、それぞれのパターンにおける居住可能性が検討された。
いずれの解析パターンでも、恒星の近距離に位置する(最遠でも0.154天文単位)惑星に潮汐ロックがかかり、恒星に対して常に同じ方向を向くため、昼間の場所と夜の場所が常に同じになる。
結論は、水が豊富にある仮想惑星では、生命が居住可能な環境形成は起こりにくく、水が乏しい仮想惑星では、生命が居住可能な環境形成が起こりうるというものだ。だが水が乏しい仮想惑星では、生命が誕生する可能性は低い。つまり、このような惑星では人類が移住できる可能性はあるが、先住民がいる可能性は低いという都合のよい結論だ。
太陽系外惑星では水が乏しい惑星の比率が圧倒的に高く、人類が移住できる可能性のある惑星は多いということになる。赤色矮星でハビタブルゾーンに惑星がある恒星には、プロキシマケンタウリがあるが、地球に最も近く、人類の移住先の有力候補になるかもしれない。(記事:cedar3・記事一覧を見る)
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