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配当性向50%公約が外国人持ち株比率50%超を後押しする、大東建託の現状
大東建託が供給・管理するZEH賃貸住宅のイメージ。2022年度は新規契約戸数が1万8,000戸を突破した。(画像: 大東建託の発表資料より)[写真拡大]
大東建託(東証プライム)は、株主還元策として「配当性向50%」を掲げている。コロナウイルス禍に晒され減収減益となった2021年3月期、回復基調となった前22年3月期に続き今期計画でも「変わらず50%」。22年6月時点で有利子負債に対し3.4倍強の内部留保に認められる通りの好財務が、背景として指摘できる。
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本稿作成中の時価の予想税引き後配当利回りは約2.9%。外国人持ち株比率が50%を超えているのも頷ける。
賃貸住宅の建築請負から一括借上げで、圧倒的存在感を示している。且つ賃貸仲介でも首位。
前2022年3月期の「6.3%増収、14.8%営業増益、11.7%最終増益、56円増配511円配」に続き今3月期も、「3.9%増収(1兆6450億円)、0.4%営業増益(1000億円)、0.6%最終増益(700億円)、3円増配514円配」と着実な計画で立ち上がった。
「下期集約型の収益構造」は業態からして承知はしていたが、中間期実績には一抹の「?」も覚えた。期初の中間期予想「21.6%営業減益、19.6%最終減益」に対し実績は、「17.4%、6.7%減益」。
だが中間期の決算説明会での質疑応答でもこの件に関してはスルー。質問は「原材料価格高騰への価格引き上げの今後」や、至24年3月期の中計「売上1兆7500円、過去最高の営業利益1300億円」の確認に集中した。最も大東建託の答えも、「極力回避」「修正は全く視野にない」ではあったが・・・
中間期実績に対する株価動向は、「全く意に返していない」と捉えられる展開。5月25日の1万670円から11月25日の1万5830円まで買われ、目下は小幅調整場面。IFIS目標平均株価は算出者7人中4人が強気(3人が中立)の1万6199円という状況だ。
が、中間期決算の説明からも、輸入木材価格の高騰の影響は明らか。
建設事業では「完成工事総利益率は前年同期比6.3P低下の21.4%、営業利益は64.9%減となった」としたが、一方で「受注工事高はZEH賃貸住宅の販売好調などで38.1%の増加、9月末の受注工事残高は3.4%増(7322億8700万円)」とした。また「連帯保証人不要サービスの効果などで不動産事業売上高は3.3%増収、8.1%営業増益」とし且つこう強調した。「9月末の家賃ベース入居率:1-(空き室物件の借上げ家賃支払い)は97.7%と0.3P上昇した」。
ちなみに同社株を10年余持ち続けていた場合の、修正値ベースの株価パフォーマンスは約8割。(記事:千葉明・記事一覧を見る)
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