関連記事
豊島区長、西武池袋存続求め西武HDに嘆願書 ヨドバシの低層階出店に反対
東京都豊島区の高野之夫区長は、西武池袋本店(豊島区南池袋)を運営するそごう・西武の売却先が米投資ファンドのフォートレスに決まったことを受け、不動産の一部を所有する私鉄大手・西武ホールディングス(HD)の後藤高志社長に対し、同店の存続を求める嘆願書を提出した。フォートレスのパートナーとなるヨドバシカメラが、同店の低層・主要部に出店することにも反対している。
【こちらも】JR池袋駅周辺で再整備計画、東西の行き来改善 西武売却は影響するか
嘆願書では、西武池袋本店を池袋の顔であり、街の玄関とし、1970年代に独自路線で一世を風靡したセゾン文化の伝統を今に受け継ぐ存在と位置づけた。さらに、池袋の街の品格と風格を作り上げるうえで、大きな役割を果たしてきたと指摘している。
豊島区が進める「国際アート・カルチャー都市」は、文化の街を築くもので、その中核が西武池袋本店であるうえ、ヨドバシカメラの参入で同店が進める海外ブランドショップが撤退すれば、文化の街の土壌が喪失するとしている。そこで、西武池袋店の存続とヨドバシカメラの低層・主要部出店阻止に力添えしてくれるよう求めている。
そごう・西武の売却先となるフォートレスは、西武池袋本店の将来などについて公式発表をしていないが、ヨドバシカメラがそごう・西武の一部店舗を取得して家電量販店を展開するとの報道が出ている。
高野区長は、西武池袋本店を地域の象徴と考えているわけだが、百貨店跡に家電量販店が出店して地域のにぎわいを創出した事例は横浜市など各地にあり、大阪市のうめきた再開発の目玉の1つにヨドバシカメラが入った商業施設がある。今回の嘆願書を行政の介入と受け止める声もあり、議論を呼びそうだ。(記事:高田泰・記事一覧を見る)
スポンサードリンク