10月のバイト時給、多くの職種で上昇継続 年末年始に向け人材確保の動きも

2022年11月16日 07:52

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 求人サイトを運営する各社が10月度のパート・アルバイト時給動向を発表。最低賃金の上昇や幅広い職種での人材需要により、多くの職種で時給が上昇傾向にあることが分かった。

【前月は】9月のバイト時給は上昇傾向続く、最低賃金引き上げも影響

■アイデムは専門・技術職のみ大幅マイナス

 9日、アイデムが10月の「パート・アルバイトの募集時平均時給」を発表した。東日本エリアの平均時給は前年同月比3円減の1,220円となり、3カ月連続で前年同月を下回った。このうち関東4都県(東京、神奈川、埼玉、千葉)の平均時給は同7円減の1,241円。

 大分類の職種では専門・技術職のみ前年同月を下回り、前年同月比95円減の1,544円と大幅なマイナスで、東日本全体が減少することとなった。前年同月を上回った職種では、事務職(10月の時給:1,134円、前年同期比:45円増)、飲食サービス職(1,067円、50円増)、清掃・メンテナンス職(1,127円、28円増)で上げ幅が大きめだった。

 西日本エリアの平均時給は同13円減の1,240円。このうち関西3府県(大阪、兵庫、京都)の平均時給は同5円減の1,254円。大分類は東日本同様に専門・技術職のみ前年同月を下回り、前年同期比101円減の1,581円。前年同月を上回った職種では、事務職(平均時給:1,079円、47円増、以下同じ)、飲食・サービス職(1,046円、49円増)、製造関連・ドライバー職(1,079円、43円増)、清掃・メンテナンス職(1,047円、41円増)で大きく伸びている。

■マイナビは2カ月連続でプラス

 14日、マイナビが10月の「アルバイト・パートの平均時給レポート」を発表した。全国平均時給は前年同月比15円増の1,152円なり、2カ月連続で前年同月を上回った。

 職種別で時給が上がったのは、カウンター業務が1,088円(前年同月比:59円増、以下同じ)、塾講師が1,341円(68円増)、営業が1,591円(320円増)、アパレル・ファッション関連の商品管理が1,063円(192円増)。テクニカルサポート・保守・テスターが1,426円(119円増)、編集・制作・校正が1,318円(183円増)、その他イベント・キャンペーンが1,505円(447円増)。ファーストフード・デリが1,061円(95円増)、ワゴン販売・売り子が1,897円(635円増)、搬入・搬出・会場設営が1,566円(375円増)。建築・土木・設備作業が1,475円(78円増)、新聞配達・ポスティングが1,223円(137円増)など。

 反対に時給が下がったのは、家電量販店が1,170円(59円減)、SE・プログラマが1,414円(229円減)、イベント企画・運営が1,373円(90円減)、医療専門職が1,383円(124円減)、看護師・准看護師が1,553円(71円減)、保育士が1,360円(98円減)、その他オフィスワークが1,135円(231円増)など。

 地域別では北海道・東北が前年同月比32円増の1,028円、関東が同12円増の1,229円、甲信越・北陸が同2円増の1,068円、東海が同24円増の1,115円、関西が同18円増の1,138円、中国・四国が同23円増の1,017円、九州・沖縄が同40円増の1,041円となり、全ての地域で前年同月を上回った。

■リクルートは3カ月連続で過去最高時給を更新

 15日、リクルートのジョブズリサーチセンターが10月の「アルバイト・パート募集時平均時給調査」を発表した。3大都市圏(首都圏、東海、関西)の平均時給は前年同月比34円増の1,151円となり、18カ月連続で前年同月を上回った。また3カ月連続で過去最高時給を更新。

 10月の最低賃金引上げに加えて、幅広い職種で人手不足感が広がっている。さらに年末年始に繁忙期となるフード系や物流関連の職種で、人材確保の動きがあるという。

 職種別で時給が上がったのは、ホテルスタッフが1,137円(前年同月比:66円増、以下同じ)、カーディラーが1,118円(54円増)。ファーストフードが1,088円(84円増)、電話対応が1,289円(115円増)、営業が1,539円(92円増)。塾講師が1,571円(131円増)、家庭教師が1,513円(132円増)など。

 反対に時給が下がったのは、アパレル販売が1,055円(85円減)、家事支援が1,136円(31円減)、保育士が1,246円(30円減)など。

 地域別では首都圏が前年同月比25円増の1,189円、東海が同42円増の1,071円、関西が同26円増の1,120円となり、3地域ともに前年同月を上回った。

■ディップは22カ月連続でプラス

 同日、ディップが10月の「アルバイト平均時給調査」を発表した。全国の平均時給は前年同月比17円増の1,212円となり、22カ月連続で前年同月を上回った。またアルバイト・パートの求人件数は約27万3,000件で前年同月比約1.3倍だった。

 職種別で時給が上がったのは、営業・企画営業が1,401円(前年同月比:85円増、以下同じ)、受付・秘書が1,288円(117円増)。編集・制作・撮影が1,210円(140円増)、SE・PG・エンジニア・運用が1,551円(165円増)、調査業務が1,396円(125円増)。食品販売が1,049円(50円増)、ホール・キッチンスタッフが1,084円(61円増)、点検・技術が1,099円(55円増)。軽作業・物流その他が1,186円(101円増)、教育・保育が1,242円(163円増)、教師・講師・インストラクターが1,842円(72円増)、試験監督・添削が1,709円(111円増)など。

 反対に下がったのは、医療・介護・福祉その他が1,149円(60円減)、薬剤師・登録販売者・薬局が1,243円(161円減)。イベント関連が1,389円(366円減)、モデル・エキストラ・芸能関連が1,661円(369円減)、美容・理容・サロンその他が1,020円(72円減)、建築系が1,589円(145円減)など。

 地域別では関東が前年同月比15円増の1,259円、東海が同38円増の1,191円、関西が同38円減の1,198円、九州が同55円増の1,152円だった。(記事:県田勢・記事一覧を見る

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