白色矮星の分光分析で判明した、惑星誕生の謎 ケンブリッジ大らの研究

2022年11月16日 08:21

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誕生間もない恒星と原始惑星のイメージ。(画像: ケンブリッジ大学の発表資料より (c) Amanda Smith)

誕生間もない恒星と原始惑星のイメージ。(画像: ケンブリッジ大学の発表資料より (c) Amanda Smith)[写真拡大]

 従来、惑星は母星となる恒星が誕生後、最終的なサイズに落ち着いて以降のタイミングで形成されると考えられてきた。例えば太陽が誕生したのは今からおよそ50億年前で、地球が誕生したのはおよそ46億年前とされる。太陽が誕生して、しばらくしてから地球が誕生したとする説が現在は一般常識となっている。

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 だが英ケンブリッジ大学は14日、惑星の誕生が恒星とほぼ同時期であった可能性を示唆する研究結果を発表した。

 研究では、従来必ずしも明確になっていなかった惑星誕生時期の謎を解明すべく、銀河系に存在する約200個の白色矮星について大気の分光分析を実施。それらの白色矮星が伴っていた小惑星が、白色矮星誕生(ここで現在白色矮星となっている恒星は厳密には、誕生直後は主系列星であったという事実に注意が必要である)とほぼ同じころに誕生し、同じように成長をしてきたことを示唆する結果を得ている。

 研究対象とした白色矮星は、かつて惑星を伴っており、やがてそれらの惑星たちを吸収してしまった結果、惑星による大気汚染を伴ってしまったものである。このような白色矮星の大気がどんな元素で汚染されているのか分光分析によって確かめたところ、マグネシウム、鉄、カルシウムの存在が認められた。

 これらの元素は惑星由来のものと考えられ、その存在比は、惑星がいったん溶融して比重の重い元素が惑星内部に沈んでいった場合に見られる値に一致していたという。

 惑星が溶融するほどの熱エネルギーをもたらすのは、100万年以内に崩壊する非常に短命の放射性元素で、今回のような大気分析結果がもたらされるには、惑星形成プロセスが白色矮星誕生とほぼ同時期でなければならないとの結論に達したのだ。

 これはあくまでも太陽系外にかつて存在していた約200個の惑星系における結果だが、太陽もやがては白色矮星に至る運命にあり、太陽系の惑星たちも同じように太陽誕生とほぼ同時期に誕生し、太陽と一緒に成長を遂げてきた可能性がある。なお、今回の研究成果は11月14日にネイチャーアストロノミーで公開されている。(記事:cedar3・記事一覧を見る

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