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円買い介入に効果はあったのか?
(c) 123rf / tktktk[写真拡大]
●24年ぶりの円買い介入を実施
政府・日銀は22日、24年ぶりの円買い介入を実施した。
【介入への警戒感はあった】日銀の円買い介入はあるのか?
1ドル145.8円まで円安・ドル高が進んでいたが、介入の結果140円近辺まで円高が進んだ。
9月14日にも、神田財務官、鈴木財務相ら要人による口先介入で円高が進む場面があったが、効果は長続きしなかった。
ロイター通信の報道によると、円買い介入額は約3.6兆円で、24年前の2.6兆円を大きく上回ると見られている。
一時的に140円を割り込む寸前まで円安を止める効果はあったが、“焼け石に水”なのか?今後も“伝家の宝刀”としての効果があるのだろうか?
●米国の反応
中央銀行が為替介入できる価格を民間銀行などに尋ねるレートチェックが行われた時から、市場には緊張が走った。
為替介入となると、ドルならば米国の反応も気になるところだが、米財務省は「われわれは日本の行動を理解している」と容認する姿勢を見せた。同時に、協調介入ではないことも認めている。
●今後もあるのか?効果には限界も!?
リーマンショック後の“通貨安戦争”ならぬ“通貨高戦争”になることは考えにくい。なぜなら、為替介入での通貨誘導には限界があると、その時に学んだからである。
IMF(国際通貨基金)が7月に公表した為替介入に関する論文ではそのように分析しており、さらに自国通貨売りの方がまだ効果はあるとしている。
23日の為替介入後は、再び145円に向かって円安が進んでいる。やはり、効果は一時的なものであった。一方で今後は145円まで円安が進むと、介入を意識されやすくなるという意味では、効果があるかもしれない。
そもそも、構造的に円安になりやすい状況である。
低成長の経済的要因を指摘する声もあるが、そもそも世界が急速な利上げをして、引き締めに向かっている中、緩和を続けざるを得ない日本が円安になるのはある意味自然である。
円安によって貿易赤字が膨らみ、さらに円安になるというスパイラルにも陥っている。
現状は円が売られすぎとの見方もあるが、世界の情勢が変わらない限り、円買い介入をしても、一時的な効果に終わるだろう。(記事:森泰隆・記事一覧を見る)
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