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ソフトバンクGが第1四半期で3兆円超の赤字計上 対策に「リストラ」が浮上?
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8日の記者会見に姿を現し、22年4~6月期の最終損益が3兆1627億円の赤字(連結・国際会計基準)だと公表したソフトバンクグループ(SBG)の孫正義会長兼社長は、神妙だった。口を開けば出てくる言葉は、反省に次ぐ反省、自責と後悔ばかりで、僅か1年前の21年3月期に日本企業として史上最高になる4兆9880億円の純利益を叩き出した時の勢いは微塵もなかった。
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当時のプレゼンで「5兆円や6兆円では満足しない。10兆円でも満足しない」と口にして昂然と胸を張っていたことを指してか、「大きな利益が出てて有頂天になっていた」との自省を口にして、「いま振り返ればバブル状態だった」と悔悟の思いを率直に口にしている。
多くの東証プライム上場企業社長の中で、孫氏ほどあっけらかんと公式の場で喜怒哀楽を表現する人はいないだろう。うれしい決算を発表する時の舞い上がり方と、厳しい結果を総括する時の沈痛さは、同一人物の仕草とは到底思えない。
8日の記者会見は、会場の雰囲気も出席者の表情も、沈痛悲嘆の極みでバックに葬送行進曲が流れていても、全く違和感を感じさせない暗さだった。
20年3月期に1兆3646億円という、当時史上最大の連結営業赤字を計上したSBGは、決算を迎える前から通信子会社のソフトバンクや米通信大手TモバイルUSの一部株式を売却するなどして、合計約4.5兆円の売却計画を粛々と実行し、自社株買いと負債圧縮に充てていた。
21年3月期の決算に強気の見通しを目論み始めた20年12月末、39社100億ドルだった2号ファンドへの投資は、21年5月末には95社300億ドルを超えている。
22年3月期には国際会計基準の連結決算で1兆7080億円の最終赤字を計上した。この時、孫氏は「取るべき行動は、徹底した守り」と今後の方針を示した。その後3カ月で赤字幅が拡大したのは、「徹底した守り」が実行されなかったわけではない。
既に投資済みで評価額が急落してしまい、所謂「塩漬け」となった株式の評価額が更に下落することは、誰にも止められないからだ。SBGの「徹底した守り」とは、「新しい投資を控える」ということを意味すると捉えると、市況の悪化が継続している場合には、基本的に「なすすべはない」。
孫氏の想いと今後の推移に相関関係は全くない。世界経済が暗転した大きな原因が、世界を覆うキナ臭さだと考えると、果たして早期に好転することがあるのか、という懸念すら頭をよぎる。
今回の会見では、懺悔と反省の言葉やリストラ計画が空しく響いた。公表されている職員は22年3月末で255人(連結ベース59,721人)だ。年収1000万円の職員を半減したとしても、得られるリストラ効果は年間15億円弱だろう。19年3月期の役員報酬が5名で14億7000万円だったが、22年3月期には2名で3億5500万円に下がったから、合計で25億円前後の削減効果が見込めるとしても、○兆円という赤字の前では焼け石に水に等しい。
だから、明確な対策がないと感じたマーケットは、9日の終値で前日比400円(7.02%)安の5295円を付けた。好調と不調を交互に繰り返して来たSBGが、23年3月期に奇跡の復活を遂げる可能性は低い、と判断したマーケットの醒めた視線が感じられる終値だ。(記事:矢牧滋夫・記事一覧を見る)
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