コロナ破たんは引き続き高水準 消費悪化や感染再拡大を懸念 東京商工リサーチ

2022年6月25日 17:46

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 東京商工リサーチは24日、新型コロナウイルスの影響で経営破たんした国内事業者数が、6月は24日時点で151件と引き続きハイペースで発生していると発表した。コロナ禍で負債を膨らませた中小事業者による諦め型倒産が続く。コロナ禍からの経済回復は進むものの、感染者の増加に加え、物価上昇による消費の冷え込みが懸念される。24日には、マレリが民事再生法の適用を申請し、コロナ関連の最大の破たん事例となった。

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 東京都は24日、都内で新たに確認されたコロナ感染者数が2,181人だったと発表。前週金曜日より580人多く、7日連続で前の週の同じ曜日を上回った。年代別では20代が最も多く、65歳以上の高齢者は全体の6.8%を占めた。死亡者は2人が確認され、いずれも80代だった。

 新型コロナウイルスの世界における累計感染者数は、米ジョンズ・ホプキンス大学の集計によれば日本時間25日午前10時時点で5億4,276万人超、死者数は632万人超。国別の最多は米国の8,690万人超、次いでインドが4,336万人、ブラジルが3,202万人。以下、フランス3,071万人、ドイツ2,768万人、イギリス2,278万人、韓国1,831万人と続く。日本は直近4週間の新規感染者数が世界で9番目に多く、累計感染者数は920万人を超えた。

 中部国際空港は24日、5月の旅客数が前年同月の2.3倍だったと発表。国際線の回復は遅れているものの、国内線に限ればコロナ前の6割程度まで回復。また、関西系高速道路3社(西日本高速道路、本州四国連絡高速道路、阪神高速道路)の2022年3月期決算においては、いずれも黒字化ないし大幅増益を示し、回復を示した。

 一方、消費者心理の冷え込みによる景気悪化への懸念が高まりつつある。総務省が24日に発表した5月の物価上昇率は2.5%で、7年1カ月ぶりの2%台となった4月と同水準。購入頻度の高い品目ほど物価上昇率が高い状況。エネルギーや食料など輸入品の値上がりと円安によるコストプッシュ型のインフレは、消費者心理を悪化させるリスクがある。

 かかる状況下、東京商工リサーチの調査では、新型コロナウイルスに関連する経営破たん事業者数は、引き続き高水準のまま推移している。6月は24日時点で151件、累計で3,715件(負債1,000万円未満を含む)となった。破たん企業(負債1,000万円以上)が雇用していた従業員数の累計は、判明している数だけで3万3,135人。24日には、負債額1兆1,330億円のマレリホールディングスが民事再生法の適用を申請し、コロナ関連の破たんとして、これまでで最大の事例となった。

 コロナからの経済回復が広がる中、足元では物価高による景気悪化や感染再拡大の影響が懸念され、コロナ関連の破たんは引き続き高い水準が続く。(記事:dailyst・記事一覧を見る

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