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2年ぶりにインバウンド再開! 観光業界復興のキーワードは「サステナブル」
6月13日、横浜市みなとみらいに開業した「ウェスティンホテル横浜」。外国人観光客が注目するサステナブルツーリズムを意識した6つのウェルネスで集客に期待[写真拡大]
外国人観光客の受け入れがおよそ2年ぶりに6月10日から再開した。1日上限2万人で、当面は添乗員付きのパッケージツアーに限られるなどの条件付きではあるものの、新型コロナウイルス感染拡大の影響で大打撃を受けている観光業界にも、ようやく明るい兆しが見え始めてきたようだ。
株式会社日本政策投資銀行及び公益財団法人日本交通公社が共同で今年2月に発表した「DBJ・JTBFアジア・欧米豪 訪日外国人旅行者の意向調査」によると、新型コロナへの不安は残るものの、足元のレジャー実施以降は全般的に上昇傾向にあり、海外旅行先としての日本の人気はトップであることがわかった。また、同調査で興味深いのは外国人旅行者の72%が「訪問先や宿泊施設を検討する際に、サステナブルな取り組みを行っていることを重視する」「どちらかと言えば重視する」と回答しており、しかも高齢層よりも若年層の方が取り組みを重視しているという点だ。さらにサステナブルな取り組みによる宿泊単価の値上げに対しても、約7割が許容する意向を示している。
そんな中、国内の観光業界でも「サステナブルツーリズム」を強く意識した動きが始まっている。
例えば、積水ハウスとマリオット・インターナショナルが6月13日に神奈川県横浜市西区で開業した、国内6軒目となる「ウェスティン」ブランドのホテル「ウェスティンホテル横浜」がそれだ。赤レンガ倉庫などの観光名所や、ランドマークなど、横浜のシンボル的な見どころが集約したもっとも活気のある「みなとみらい」に位置する、地上23階、客室数373室のホテルで、首都圏へのアクセスも良い。
サステナブルな取り組みとしては、「ペットボトルゼロ」実現に向けて、館内には最先端の浄水システムを導入した瓶詰め施設を設置し、国内マリオットブランドのホテルで初めて全館でのリサイクルボトルでの飲料水を提供するほか、最新型のセンサーを導入し、全ての客室の温度を検知して使用電力を必要最低レベルに管理するなど、消費エネルギーを極力抑えるなど、SDGsの課題解決にも取り組んでいる。神奈川県及び横浜市は、日本でも早くからSDGsに積極的に取り組んでいる街。相乗効果が期待できそうだ。同日に行われた開業式で、神奈川県の黒岩知事は「神奈川県や横浜市は、日本の中でのSDGsの全国最先端都市といえますので、そのシンボルとして期待しております」と語っている。
またこのホテルの特筆すべき点は、屋内温水プールやフィットネススタジオ、スパなどを兼ね備えた1000㎡を超える広さを誇る「総合ウェルネスフロア」を併設している点だ。マリオット・インターナショナル 日本・グアム担当エリアヴァイスプレジデントのカール氏は、「数あるブランドの中でもウェスティンブランドは、10年以上にわたりホスピタリティにおけるウェルネスの分野を世界で牽引してきました。ウェルビーイングを通じ、ゲストが旅行中に旅の疲れをとれるよう尽力しています」と、ホテルのコンセプトを語った。
同じ施設の6?12階部には、30日以上の長期滞在型ホテル「The Apartment Bay YOKOHAMA」も同時にオープンした。積水ハウスの仲井社長は、同ホテルについて、「ウェスティンホテル横浜の一部のサービスをご提供するなど、中長期の滞在をされる方にも快適な宿泊スタイルを提供できるユニークな複合開発施設」だと述べた。
横浜の他にも、「日本の源流に出会える旅」をコンセプトに「サステナブルツーリズム」を意識したブランディングを行い、オランダのNPO・Green Destinationsに「2020年サステイナブルな旅行先トップ100」に選出された岐阜県の白川郷や、「釜石オープン・フィールド・ミュージアム」など、エリア全体を「生きた博物館」に見立てる構想で、2019年に「グリーン・デスティネーションズ・アワード」のブロンズ賞も獲得し、独自の持続可能な観光を実践している岩手県釜石市など、日本国内では今、続々とサステナブルな観光地が誕生している。持続可能な日本の未来のためにも、サステナブルな観光が大いに盛り上がってくれることを期待したい。(編集担当:藤原伊織)
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※この記事はエコノミックニュースから提供を受けて配信しています。
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