ウクライナショックでも好調なウォーレン・バフェット

2022年3月23日 16:10

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●時価総額が1兆ドル間近

 著名投資家・ウォーレン・バフェット氏率いるバークシャー・ハザウェイ社は、年明けから株価好調で、時価総額は約7700億ドルに達し、1兆ドルも視野に入れている。このまま1兆ドルを超え、アップルやアマゾンに続くことができるのか?

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 ウクライナショックで世界の株価は急落したにも関わらず、バークシャーは動じないどころか、むしろチャンスと捉え、投資を続けてきた。3月21日には、保険会社アリゲニーを116億ドル(約1兆4000億円)で買収したとロイター通信などが報じている。

 コロナショックでも、航空株をすぐに手放し、日本の商社株に投資したバフェット氏が、このウクライナショックでどんな投資手法をするのか目が離せない。

●バフェット氏の最近の動き

 オマハの賢人と言われるバフェット氏は、常に先を見据えて投資をする。

 バフェット氏はアフターコロナ、ウクライナ危機を見据えてなのか、2021年10月から米石油大手シェブロンの株を買い増ししていた。

 ロシアのウクライナ侵攻が本格化した2月下旬からは、エネルギー企業・オクシデンタル株を買い始め、3月中旬にも買い増しした。

 シェブロン株もオクシデンタル株も上昇しており、バークシャーの株も2月下旬以降約15%上昇。ショック相場でありながら急騰している。

●バフェット氏の手法から見る今後の相場

 元々バークシャーは保険事業に強みがあり、保険事業で得られる資金を投資に回してきた。

 バフェット氏は、2月26日の株主への書簡で、「株式市場には心を躍らせる案件が少ない」と投資には積極的でなく、手元資金を温存すると見られていた。

 そんななかでのアリゲニーの大型買収案件は、市場を驚かせたものだ。

 大型投資ではあるが、積極的な投資というよりは内部事業の強化という見方もあり、バフェット氏もこのウクライナショックで、インフレへの警戒を強めているのかもしれない。

 バフェット氏の投資が今後の世界情勢、市場を見る1つの指標になるだろう。(記事:森泰隆・記事一覧を見る

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