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草津温泉と伊藤園に、「商売上手」を痛感した理由
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昨年12月10日の読売新聞オンラインが、『草津温泉の湯に「コロナ不活性化の効果」・・・箱根破り「再訪したい温泉地」1位に』と題する記事を配信した。
【こちらも】お茶(カテキン)のコロナウイルス(インフルエンザ)効果、その後の進展は?
リクルートの観光地に関する調査機関「じゃらんリサーチセンター」が、全国327カ所の温泉を対象にした「もう一度行ってみたい温泉地」で、万年2位だった草津温泉が常時1位だった箱根温泉を破った。その大きな要因が昨年1月に、草津町と群馬大学が「草津温泉の湯に新型コロナを不活性化させる効果がある」としたことだという内容である。
群馬生まれ群馬育ちの身としては、嬉しい限り。だが「草津温泉の湯が新型コロナウイルスを不活性化・・・」というのは、初めて知った。中学の同級生で地元:上毛新聞のOBである友人に「その当たりのことを知っている現役記者を紹介して欲しい」と依頼。電話取材した。記者氏の説明はこうだった。
【発表は1月の中旬。群馬大学の板橋英之教授が草津町町長同席の上で発表。教授は草津温泉の源泉から「湯畑(ゆばた)」と「万代鉱(ばんだいこう)」を選び、温泉水を採取。この溶液と水道水に、それぞれ新型コロナを含む溶液を加えた。
結果、水道水を1とすると、温泉水は、1分後に17~93倍、10分後に108~241倍の不活性化効果があったという。板橋教授は「(草津温泉の湯は強酸性で知られるが)酸性以外の温泉成分が影響」との見解を示しており、「今後も研究を続ける」としたというのだ。が、続報は伝えられていない】。
発表後、草津温泉協会は湯畑に「手洗乃湯」を設置した。読売新聞はこうした流れが草津温泉をして箱根温泉を凌駕した要因としたわけである。
上毛新聞の記者の「だが続報は伝えられていない」を耳にし、あることを思い出した。
昨年10月7日の企業・産業欄に『お茶(カテキン)のコロナウイルス(インフルエンザ)効果、その後の進展は?』とする記事を投稿した。「京都府立大学大学院の研究グループが、カテキン類(お茶の苦み成分)が新型コロナウイルスの感染力の低下を伊藤園との共同研究で確認した」(9月報道)と伝えられた。
が、続報がなかったので伊藤園に問うた。「目下研究を続行中」といった答えしか得られなかったが、伊藤園は「カテキン加工除菌・消臭不織布マスク」を発売していた。
そして最近、斯界のアナリストから「濃いお茶というのがあるよ」と聞いた。スーパーに出かけペットボトル型茶類の棚を覗いた。伊藤園の代表商品「お~いお茶」と並んで、件の濃いお茶はあった。「カテキン量2倍」が謳われていた。
草津温泉、伊藤園とも「商売上手」を感じた。(記事:千葉明・記事一覧を見る)
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