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ワクチン2回接種で重症化回避、「オミクロン型」で重症化リスクも軽減 では次は・・
日本での新型コロナウイルス2回目のワクチン接種者は、2021年12月28日現在9866万人で接種率は77.9%になった。12月2日には77.0%だったので、およそ1カ月の間に0.9%しか増加しなかったことになる。ワクチン接種があくまでも個々人の判断にゆだねられていることや、健康上の理由でワクチン接種を見送らざるを得ない人がいて、接種対象年齢以下の子供たちの存在を考えると、接種を希望する人に対するワクチン接種はほぼ一巡したように見える。
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規定回数のワクチン接種(2回接種が望ましいと推奨されている場合は2回)を済ませた人の割合は、中国の83.6%、韓国の82.7%に続いて日本が3番目に位置する(12月30日現在)。一時はワクチン接種の遅れが取り沙汰されていたことを考えると、遅れを一気に取り戻して世界トップクラスの接種率になった。
専門家の的確な説明がないまま、東京オリンピック・パラリンピックの終了時期を待っていたかのように急減した感染状況は、「オミクロン型」への変異と共に再度増加傾向となり、12月1日には121人だった感染者数が、29日には399人と増加している。訳が分からないままに2万人を超えていたピークは大きく下回っているものの、上昇傾向にあることは間違いない。
こうした状況を背景となり、ブースター接種の必要性を説く声の高まりに押されるようにして3回目の接種が始まり、現在はコンマ数%の実績を計上する緒に就いた。
ブースター接種が始まったのは、時間の経過と共に初回接種の効き目が低下しているという危機感が大きいのだろう。イスラエルでは4回目の接種がスタートしたと言うから、早く早くという思いに急き立てられているような気配が濃厚だ。
だが世界に先駆けて4回目の接種を進めているイスラエルでは、2回のワクチン接種を済ませた人の割合は63%だと伝えられているから、日本と比較すると随分少ない。個人の行動を方向付ける難しさが、垣間見えるようだ。
新型コロナウイルスの感染拡大が世界で続いている状況で、米ジョンズ・ホプキンス大学のまとめでは12月27日の新規感染者数は約145万人を記録し、今までのピークだった4月下旬の約82万人を大きく超えた。感染者数が著しい増加を示しているのは、今までの主体だった「デルタ型」から、増殖スピードが70倍以上(香港大学)という「オミクロン型」に置き換わっていることに他ならない。
感染症としての新型コロナウイルスが認知されたころ、感染症に関するそれまでの知見の一部が披露されていた。感染症は変異を繰り返すことが自然な姿であり、変異するたびに重症化リスクが低下する傾向があるということだ。
現実の新型コロナウイルスも、その知見に沿った傾向を見せていると言って良いだろう。ワクチンの接種が進むということは、感染は避けられないにしても重症化リスクは回避できるから、現在の日本では、重症化リスクの少ないオミクロン型であることと、ワクチン接種による重症化回避効果が二重に働くことすら期待される状況にある。今後の推移を十分見極める必要はあるが、そろそろウイズコロナという方向へ舵を切る時期が見えて来るかもしれない。
それに対して、WHOが再三注意を喚起しているように、世界では未だに接種率が10%に満たない国が少なくない。富裕国家が国民の自主的な選択を基に2回目の接種に目鼻を付けて、3回目の接種に向かい始め、中には4回目へと進んでいることを見ていると、余りの格差の拡大に落ち着かない気持ちにさせられる人が出るのも止むを得まい。
日本には既に散発的なワクチン支援の実績はあるが、今後はワクチン接種が進んでいる国の音頭を取って、国際的な支援の枠組みを作り上げるくらいの気概が、必要な時期に来ているのではないだろうか?(記事:矢牧滋夫・記事一覧を見る)
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