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東京産業、2Q累計の四半期純利益は過去最高益を達成 環境・省エネ等の新規ビジネス収益拡大でさらなる成長へ
2022年3月期第2四半期決算説明会
蒲原稔氏:東京産業株式会社の蒲原でございます。本日は弊社の決算説明会にお越しいただき、誠にありがとうございます。これより、2022年3月期第2四半期の決算説明を始めたいと思います。
本日は、最初に2022年3月期第2四半期の決算の内容について、次に中期経営計画の進捗と東証市場再編への対応について、最後に、成長へ向けた足元の取り組みとして、現在注力している事業についてご説明します。
決算概要 損益計算書および配当状況
今期より、「収益認識に関する会計基準」等を適用しています。これにより、成約高、成約残高、売上高には大きな影響が生じていますが、営業利益や当期利益への影響はありません。基準適用前のそれぞれの数字については、注記をご参照ください。
また、連結範囲が一部変更となりました。具体的には、開発28号匿名組合が契約終了により連結対象から外れ、海外現地法人のTOKYO SANGYO EUROPEが新たに連結対象に加わっています。
損益計算書からご説明します。受注の状況ですが、成約高総額は183億円となりました。売上高は295億円です。売上総利益、営業利益、経常利益については、一部大口案件の引き渡しが完了したことや、受取配当金の増加が寄与し、それぞれ41億円、13億円、16億円と前年同期比で大幅増益となりました。
この結果、四半期純利益は11億円となり、上期における過去最高益を達成しています。これにより、1株当たりの四半期純利益は42円42銭となりました。
決算概要 セグメント別業績
セグメント別の業績についてご説明します。電力事業は大口保守案件の引き渡しが順調に進み、成約高は41億円、売上高は41億円となりました。基準適用前の数字で比較すると、前年同期比で売上高は43億円の増加、営業利益は3億円増加の5億円となりました。
環境・化学・機械事業ですが、太陽光関連の工事案件が堅調に進捗したことにより、成約高は117億円、売上高は236億円となりました。基準適用前の数字では、前年同期比で売上高は89億円の増加、営業利益も3億円増加の8億円となりました。
生活産業事業については、コロナ禍による外出自粛やレジ袋有料化の影響を受け、成約高は25億円、売上高は17億円となりました。基準適用前の数字では、前年同期比で売上高は10億円の減少、営業利益はほぼ横ばいとなりました。
決算概要 貸借対照表
貸借対照表について簡単にご説明します。総資産は、営業債権債務の増加により820億円と、前年度末に比べて75億円増加しています。純資産は、利益剰余金の積み上げなどにより、前年度末から6億円の増加となりました。
中期経営計画2023(連結) 2022年3月期業績予想および業績推移
中期経営計画の進捗と東証市場再編への対応についてご説明します。今期の業績予想ですが、下期も引き続き、太陽光案件を中心とした再エネ事業などの着実な取り込みにより、収益認識会計基準適用前の数字で売上高1,200億円、営業利益27億円の計画達成を目指します。
中期経営計画2023(連結) 定量目標の進捗
中期経営計画の進捗状況です。スライドをご覧のとおり、計画に沿って着実に推移しています。売上高は、比較しやすくするため、「収益認識に関する会計基準」等適用前の金額としています。
今期は3ヶ年計画の2年目となりますが、この後にご紹介するグリーンビジネスや新規事業などを積極的に推進することにより、最終年度の目標達成を図っていきます。
中期経営計画2023(連結) 増益計画の内訳
中計最終年度における目標達成のための施策についてご説明します。スライドにあるとおり、営業利益については、前期実績の19億円から18億円の上積みを計画しています。
そのための施策ですが、スライド右側の枠内に記載のとおり、太陽光の自社売電事業や、火力発電所向けメンテナンスなどの基盤収益に加えて、この後ご紹介する、環境・省エネを中心とした新規ビジネスの創出による売上収益のアップ、さらに、Web会議システムなどを活用したオンライン商談、リモートワークの推進などによる経費効率の向上などを図ります。これらを通じて、中計最終年度となる来期に、営業利益37億円を目指します。
中期経営計画2023(連結) 資本政策と東証市場再編対応
資本政策についてご説明します。弊社は、すでに発表しているとおり、2022年3月期の中間配当については1株当たり13円としました。また、年間配当金は期末配当金13円と合わせて前期同様の26円を予定しています。
さらに、7月21日より総額10億円の自己株買いを現在実施中です。これら資本政策の組み合わせにより、2022年3月期の総還元性向は80.6パーセントを見込んでいます。
株主の方々への利益還元と、7月に実施した売り出しによる持ち合い株式の解消、自己株買いの実行などにより、プライム市場の上場維持基準に適合すると判断し、来年4月以降はプライム市場を選択する旨を申請しました。
中期経営計画2023(連結) サステナビリティを巡る課題への具体的な取り組み
サステナビリティを巡る課題についてご説明します。弊社は10月の取締役会において、「サステナブル行動指針」の策定を決議しました。詳細は会社ホームページに掲載していますが、弊社のマテリアリティ、言わば重要課題を特定し、成長戦略コアファイブを通じて、サステナビリティ経営に向けた取り組みを強化していきます。これらの取り組みにより、弊社の持続的成長ならびに企業価値向上を図っていきます。
事業領域とSDGs
弊社が成長戦略として掲げるエネルギー、モノづくり、新事業、グローバル、それぞれのトピックスを5つほど説明します。スライドは弊社の事業領域の取り組みとSDGsの各目標を関連付けた図になります。ここからは、事業における具体的な取り組み事例をご説明します。
カーボンニュートラルへの対応拡大(1/2)
1つ目は、成長戦略の1番目に掲げている「エネルギーミックスへの対応拡大」に関し、カーボンニュートラルへの対応として、太陽光関連事業を中心に説明します。今年改定された、経産省策定のエネルギー基本計画では、2030年までに再生可能エネルギー比率を36パーセントから38パーセントに、また2050年までに温室効果ガス排出実質ゼロを目指しています。
このような脱炭素の流れに積極的に対応すべく、太陽光発電事業については、自社設備での売電事業に加え、工事請負や資産活用提案など、さらなる営業強化を図ります。
自社売電事業については、今年10月より、阿賀野ソーラーパークが運開しました。これにより、弊社が持つ太陽光発電設備は、7ヶ所合計で35メガワットとなりました。その他、RE100企業など取引先の工場に対し、自家消費型発電設備の設置や、遊休発電設備のデマンドレスポンス活用の提案など、今年7月に設立した、弊社子会社であるTRエナジーと協業していきます。また、発電設備のオペレーションアンドメンテナンス(O&M)事業の積極展開など、エネルギーミックスに関する複合的な取り組みを行っていきます。
カーボンニュートラルへの対応拡大(2/2)
2つ目は、同じくカーボンニュートラルへの対応として、バイオマス発電やその他再エネ関連事業です。バイオマス発電については、発電所工事請負や燃料供給、発電事業への参画など、一気通貫での事業提案に注力しています。
具体的には、街路樹などから発生する、国内の剪定枝を燃料とする発電所の建設請負のほか、マレーシアやベトナムなど、弊社の海外ネットワークを活用し、各種認証を取得したバイオマス燃料の調達先の多角化に努めています。
その他にも、地熱発電設備の取扱いなど、各種再エネ事業への取組みを拡大していきます。
モノづくりイノベーションへの挑戦、新規事業創出の継続(1/2)
3つ目は、モノづくり、新規事業に関する事業として、EVモーターズ・ジャパンとの協業についてです。弊社は、EV関連の取組みの1つとして、EVモーターズ・ジャパンと共同開発した、リチウムイオン2次電池用充放電検査装置の取り扱いを開始します。
同製品は、従来型の検査装置と比較して、使用電力およびCO2排出量の大幅な削減が期待される画期的新製品です。11月に開催された、インテックス大阪での展示会にも出展したところ電機・自動車関連など多くの企業の方々にご来場いただきました。
また、年内には、同社製の電池を使用した商用EVの取り扱い開始も予定しています。これらは、主にEVバスやEVトラックなどで、充電コストや安全面に強みを持った製品となっています。
モノづくりイノベーションへの挑戦、新規事業創出の継続(2/2)
4つ目は、引き続きモノづくり、新規事業についてとなりますが、まずは養殖設備の取扱についてご説明します。昨今、天然水産資源の枯渇の懸念から、養殖事業のニーズが高まっています。弊社では、海外の養殖設備メーカーと協業し、陸上養殖や海上養殖事業向けの設備をワンストップで提案することで、そのような需要に対応していきます。
このほか、食品産業関連のトピックスとして、ご飯のレトルトパック向け加工設備販売があります。米飯加工機メーカーと共同開発したもので、混ぜご飯にも対応できることが特徴です。日本食ブームもあり、海外への展開も視野に、拡販していきます。
次に、環境/省エネ関連の新規事業としてiFactoryへの投資について説明します。同社は、医薬/化学業界の製造プロセスにおいて革新的な省エネ化をもたらす連続生産方式の技術を開発しています。
ここに弊社が出資することで、開発製品の展開など、環境ビジネスを推し進めていきます。このほか、10月に合併した子会社キクデンインターナショナルで取り扱っていた商材である、生分解性梱包材やエステル絶縁油など、環境負荷の低い商品ラインナップを拡充することにより、顧客の多様な環境ニーズへ応えていきます。
グローバルビジネスの強化
グローバルビジネスについてご説明します。現在、東京産業グループは海外13国・24拠点で事業を展開しています。近年活況であるEV関連、特に部材を製造する日系メーカーに対して中国、欧州、米州工場の新設サポートを行っています。
また、コロナ禍において稼働が遅れていたマレーシア現地法人が本格的に営業を開始しました。これにより、バイオマス燃料を安定供給できる体制が整いました。
引き続き、海外との往来が制限される状況が続いていますが、本社と海外のリモート会議を定期開催するなど、新たなビジネスへいち早く対応できる体制を整えています。
今後も、日本を含めた拠点間連携を強化し、さらなるグローバルビジネスの拡大に努めていきます。
スライドについては、この後、弊社の概略・拠点などを載せていますが、ここでの説明は割愛します。以上、簡単ではございますが、2022年3月期第2四半期の決算説明とさせていただきます。ご清聴、誠に有難うございました。
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