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前週末18日に自民党総裁選挙の立候補者の公開討論会が開催され、テレビ中継された。討論を見聞きしながら、メーンテーマとなったコロナ対策、年金問題、エネルギー政策などもさりながら、個人的に興味を持ったのは、野田聖子候補者を中心にどの候補も等しく合意したように聞こえたダイバーシティ(多様性)への政治姿勢である。[写真拡大]
【日本インタビュ新聞社・株式投資情報編集部】
前週末18日に自民党総裁選挙の立候補者の公開討論会が開催され、テレビ中継された。討論を見聞きしながら、メーンテーマとなったコロナ対策、年金問題、エネルギー政策などもさりながら、個人的に興味を持ったのは、野田聖子候補者を中心にどの候補も等しく合意したように聞こえたダイバーシティ(多様性)への政治姿勢である。女性、子ども障害者、性的少数者などの社会弱者を見守り、寄り添い、決して見捨てないことが、成長戦略にもつながるとの政治的なメッセージのようであった。
このダイバーシティに関して、討論を聞きながら別のことを考えた。政治の場でダイバーシティを実現するには、現在の選挙制度である小選挙区比例代表制を以前の中選挙区制に戻すのが手っ取り早いとの議論があることである。小選挙区制は、政権交代が可能で政治の緊張感が高まるとして1996年10月の衆議院選挙から導入されたが、この導入前も、選挙制度の原則として一つ選挙区で一人の当選者となるため、落選者の得票の多くが死票になる欠点が論議されていた。得票率にかかわらず議席数が総取りとなるため、得票率と獲得議席数が極端に分かれ、かつての選挙では得票率が4割台で議席率が7割~8割に達した例まで報告されている。
問題は、この死票である。死票の中にこそ少数意見やこれこそ庶民レベルの声なき声も含まれている。かつての中選挙区制なら1選挙区から2名、3名などの複数の当選者が出ることになり、死票の中に埋もれた少数意見が国政の場に汲み上げられダイバーシティの実現を担保するというのである。
現在の選挙制度は、1996年の導入以来、確かに一時民主党政権への政権交代が実現はしているものの、2012年に発足した第2次安倍政権以来、現下の菅内閣まで9年にもわたる長期政権となり、世襲議員ばかりが目立つ人材登用の柔軟性を欠き特権階級化し、一強政治の驕りと緩みが強まり、議員辞職や刑事訴追を免れない国会議員の政治腐敗が頻発し、忖度政治が幅をきかせ、民意に寄り添えず内閣支持率が低下する弊害が生じている。長期政権を野党の力不足とするのは簡単だが、このままでも選挙制度を中選挙区制に戻せば、少数意見が国会の場に届き、ダイバーシティ実現に即効性が期待できることになる。
そんなこんなで討論会のテレビ中継を見ながら、今週の当特集は、またまた選挙関連銘柄に注目することとした。国内政治スケジュールからも9月29日の自民党総裁選挙での新総裁の選出、10月4日の菅後継内閣の発足、11月の任期満了に伴う総選挙と続くことになる。自民党の新総裁選出にドタバタ劇などはないのか、派閥力学など働かず透明性が高かったと民意が広く納得するのか、世論調査結果は吉か凶か、内閣支持率は持ち直すのか、衆議院選挙の動向はどうなるのか、野党の埋没は続くのかなどなど、それこそ今回の菅義偉首相の突然の退陣表明が示唆するように「政治の一寸先は闇」の可能性は捨て切れない。
3連休明け週明けの東京市場は、連休に挟まれ立会日数が少なく、海外市場で、米国のダウ工業株30種平均(NYダウ)が614ドル安と3営業日続落するなど中国恒大集団の経営不安問題を織り込み波乱展開となっている。そのなかで9月前半相場と同様に国内政局材料を手掛かりに海外リスクをハネ返し独自の展開をするか試す動きも想定される。となれば選挙関連銘柄の再出番は近い。選挙関連銘柄は、菅首相の突然の総裁選挙不出馬表明で一部動意付く場面もあったが、総裁立候補者関連の政策テーマ銘柄が人気化する影に入って大きなウネリとはなっていなかったからだ。しかし、9月~11月の国内政治スケジュールのなかで「一寸先は明かり」か「一寸先は闇」か注目されることになり、アナログの選挙関連株、デジタルな選挙関連株に広く網を張りたい。(情報提供:日本インタビュ新聞社・株式投資情報編集部)
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