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副業容認の企業が増加 実際に副業者を雇用は23.9% パーソル総合研究所調査
パーソル総合研究所が企業向けに行った副業に関する調査結果を発表し、副業を容認する企業の割合は半数以上に増えているものの、実際に副業者を雇用している企業は3割に満たないことが分かった。
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■副業を容認する企業割合がやや増加
11日、パーソル総合研究所が副業に関する調査結果(企業編)を発表した。同様の調査は2018年にも行われており、結果の推移・考察も合わせて公表している。自社の正社員に副業を行うことを容認している企業の割合は、全面容認が23.7%(前回:14.4%)、条件付き容認が31.3%(同36.8%)。条件付き容認がやや減った一方、それ以上に全面容認が増えたため、容認する企業の割合は55.0%となり前回の51.2%から3.8ポイント増加した。
■容認理由は「禁止するものではない」が増加
副業を容認する理由(1~3位選択)で最も多かったものは「従業員の収入補填のため」で34.3%。以下「禁止するものではないので」(26.9%)、「個人の自由なので」(26.2%)、「働き方改革の促進のため」(21.8%)、「従業員のモチベーションの向上のため」(20.3%)、「優秀な人材の定着(離職率の低下)のため」(18.9%)、「従業員の視野拡大・自主性向上のため」(18.4%)、「優秀な人材の確保(採用活動)のため」(16.5%)などと続く。
前回調査から大きく増えた理由には「禁止すべきものではないので」(前回:21.3%→今回:26.9%)があり、逆に減った理由には「企業イメージの向上のため」(同11.3%→5.2%)、「社会貢献のため」(同11.3%→5.5%)がある。
■禁止理由は「ノウハウ等の流出」懸念が増加
副業を禁止する理由(1~3位選択)で最も多かったものは「自社の業務に専念してもらいたいから」で49.7%。以下「疲労による業務効率の低下が懸念されるから」(42.1%)、「従業員の過重労働につながるから」(39.7%)、「情報漏洩のリスクがあるから」(29.5%)、「労務管理等の事務管理が煩雑になるから」(20.4%)、「ノウハウ等の流出につながるから」(16.4%)などと続く。
前回調査から大きく増えた理由には「ノウハウ等の流出につながるから」(前回:7.2%→今回:16.4%)があり、減った理由には「従業員の過重労働につながるから」(同49.2%→39.7%)がある。
■現在副業受け入れ企業は23.9%のみ
現在副業者(他社で雇用されている人材)を受け入れている企業の割合は23.9%。受け入れ意向があると答えた企業は23.9%で、合わせて47.8%の企業が受け入れに前向きな意向を示している。一方、受け入れ意向なしと答えた企業は52.3%であり、受け入れ意向があると答えた企業と合わせて、76.2%の企業が現状では副業者を受け入れていない状況であることも分かる。
■「多様な人材確保」も採用経路は「身近な紹介」中心
副業者を受け入れている企業や受け入れ意向があると答えた企業に理由を尋ねたところ、最も多かった理由は「多様な人材確保が可能だから」で26.4%。以下「高度なスキルをもった人材確保が可能だから」(22.6%)、「迅速に人材確保が可能だから」(19.7%)、「新たな知識・経営資源の獲得が可能だから」(18.0%)、「正社員では採用困難な希少スキルを保有した人材確保が可能だから」(15.4%)、「コストメリットがあるから」(15.2%)、「正社員で採用するよりも優秀な人材の確保が容易だから」(14.8%)、「周りの従業員に良い刺激になるから」(13.7%)などと続く。
ただし副業者の採用経路で最も多かったのは「知人・社員からの紹介」が39.9%、ついで「元社員」が22.3%となっており、実際の採用にあたって身近な紹介が多いことが分かる。以下は「人材紹介サービス」(20.4%)、「自社ホームページ」(17.3%)、「WEBの広告媒体」(16.2%)、「新聞・求人誌等の広告媒体」(12.8%)などと続く。
■「コロナ禍副業」は厳しい待遇
調査では新型コロナウイルスの感染拡大による本業の収入源に端を発した副業を「コロナ禍副業」と名付けて傾向を調べている。それによると「コロナ禍副業」におけるパート・アルバイト率は36.6%で、それ以外の副業の27.5%と比較して9.1ポイント高い。また平均時給は「コロナ禍副業」が1,629円で、それ以外の副業の1,923円と比較して294円低くなっており、「コロナ禍副業」は待遇面で厳しい状況があることが分かった。(記事:県田勢・記事一覧を見る)
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