DNP、体外受精卵の発育確認をAIによる画像解析でサポート

2021年7月16日 16:48

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AI技術で胚の評価を支援する(画像は大日本印刷の発表資料より)

AI技術で胚の評価を支援する(画像は大日本印刷の発表資料より)[写真拡大]

 大日本印刷(以下、DNP)は15日、不妊治療用システムの解析ソフトウェアに、AIを用いた画像解析機能を追加したと発表した。受精卵の発育観察を行う胚培養士の画像確認作業をサポートする。同社はAIを活用した画像解析関連製品を展開し、2025年度までに年間10億円の売上げを計画する。

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 DNPは2018年、浅田レディースクリニック及びアステックと3社で、体外受精の受精卵培養と観察を行うシステムを開発。商品名は「次世代型タイムラプスインキュベーターシステム」。導入すれば受精卵の成長プロセスを画像で把握できるようになるが、画像確認にスキルや時間がかかるという課題があった。

 今回、同システムに、AI画像解析機能を付与。もともと培養1日目に「前核」の数を検出する機能があったが、さらに初期卵割や異常分裂の検出、良好な成長が見込めるかの期待ランク付け、良好胚の表示などの機能を追加した。

 日本では晩婚化が進み、それに伴い不妊治療の件数が増加。厚生労働省の調べによると、2017年には全国で5万6000人の新生児が体外受精によって誕生している。これは同年の新生児の6%にあたる計算だ。こうした状況を受け、体外受精をサポートするシステムや技術が求められるようになっている。

 体外受精の場合、女性の体内と類似の環境を再現した「インキュベーター」内で受精卵が数日培養され、女性の体内にうつされる。培養中は、順調に発育しているか確認するため取り出して顕微鏡で観察するが、外気にさらされると悪影響を及ぼす可能性が示唆されていた。

 同システムは、発育に効果的な培養環境をつくり、その中で受精卵を発育させながら観察。ディープラーニングによって観察を簡便にする。今回のAI活用による画像解析技術投入により、体外受精の操作を行う胚培養士の発育観察を全期間で助け、画像確認の作業負担を軽減できるようになるという。(記事:土佐洋甘・記事一覧を見る

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