鈴木は年初来安値も業績上方修正・連続最高純益を見直し悪目買い一考余地

2021年7月9日 09:11

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記事提供元:日本インタビュ新聞社

【日本インタビュ新聞社・株式投資情報編集部】

 鈴木<6785>(東1)は、年初来安値では下値抵抗力をみせ、一時戻りを試す場面もあったが、日経平均株価が、急反落したことから改めて持ち高調整の売り物が再燃した。このため同社が、目下集計中の2021年6月期業績を今年5月13日に上方修正し、連続して過去最高純利益更新をすることを見直し悪目買いも一考余地がありそうだ。次期2022年6月期業績は、設備投資負担で伸び悩みが観測されているが、リチウム電池用部品の新生産ラインや医療器具の新工場の稼働開始が予定されており、今年8月に予定されている6月期決算発表時の業績ガイダンスへの期待も高めよう。

■スマホ部品、自動車部品が好調に推移し医療機器も堅調

 同社の2021年6月期業績は、昨年11月の開示予想より売り上げを22億4300万円、営業利益を8億9600万円、経常利益を10億7700万円、純利益を5億8100万円それぞれ引き上げ、売り上げ323億2100万円(前期比14.9%増)、営業利益28億3600万円(同63.5%増)、経常利益31億円(同2.10倍)、純利益18億7500万円(同51.6%増)と見込み、経常利益がV字回復するとともに、純利益は、有価証券売却益の寄与で過去最高となった前期業績を大きく上回り連続過去最高となった。主力の部品事業で、スマートホン向け部品や自動車向け部品が好調に推移し、機械器具事業でも半導体関連製品、医療機器などが堅調に推移したことなどが要因となった。

 次期2022年6月期業績の動向については、今年8月の6月期決算発表時の業績ガイダンスを待たなければならず、東洋経済会社四季報最新号などで伸び悩みが観測されているが、今年4月にはリチウム電池用部品の3号ラインが稼働を開始し、10月には医療器具組立ての新工場も稼働予定にあり、この業績効果も期待される。

■PER6倍、PBR0.7倍、25日線から8%超の下方かい離と売られ過ぎ

 株価は、昨年8月の前期決算発表時に業績予想を未定としたことが響いて600円台での下値もみ合いが続いたが、今期第1四半期業績のV字回復でストップ高して底上げし、第2四半期決算発表では年初来高値1305円まで買い進まれたが、今年5月の第3四半期決算発表時の業績上方修正では、好材料出尽くし感から利益確定売りが先行し、足元では年初来安値911円まで売られた。PERは6倍台、PBR0.76倍、テクニカル的にも25日移動平均線から8%超のマイナスかい離とそれぞれ売られ過ぎを示唆しており、25日移動平均線奪回からまず年初来高値からの調整幅の半値戻し1108円にキャッチアップしよう。(情報提供:日本インタビュ新聞社=Media-IR)

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