ユーロ週間見通し:もみ合い、ユーロ圏小売売上高などが売買材料に

2021年7月3日 14:37

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記事提供元:フィスコ


*14:37JST ユーロ週間見通し:もみ合い、ユーロ圏小売売上高などが売買材料に
■弱含み、ユーロ圏の金利先高観は後退

今週のユーロ・ドルは弱含み。オーストリア中央銀行総裁が「弱いインフレで利上げの余地はない」との見方を示したことや、ドイツやユーロ圏の6月消費者物価指数の伸び鈍化を受けてリスク回避的なユーロ売り・米ドル買いが活発となった。ただ、6月米雇用統計発表後に米長期金利低下は低下したことから、ユーロ売りはやや縮小した。取引レンジ:1.1808ドル-1.1945ドル。

■もみ合いか、ウイルス感染拡大への懸念残る

来週のユーロ・ドルは、もみ合いか。ユーロ圏5月小売売上高などの経済指標が堅調なら、ユーロ圏経済の正常化を期待したユーロ買いが入りやすい展開となりそうだ。ただ、ユーロ圏諸国における新型コロナウイルス変異株(デルタ株)などの感染拡大が警戒されており、経済制限などの感染拡大策が導入される可能性が高まった場合、リスク選好的なユーロ買いは大幅に縮小する可能性がある。

予想レンジ:1.1800ドル−1.1950ドル

■弱含み、ドイツのインフレ率鈍化などを嫌気

今週のユーロ・円は弱含み。欧州中央銀行(ECB)のパネッタ理事は6月28日、「ECBはパンデミック緊急購入プログラム(PEPP)の異例な柔軟性を維持すべき」との見方を伝えたことや、ドイツやユーロ圏の6月消費者物価指数の伸び鈍化を受けてユーロ・円は131円台前半まで下落した。7月2日発表6月米雇用統計内容を受けて、ユーロ売り・米ドル買いは縮小したが、リスク選好的なユーロ買い・円売りは拡大しなかった。取引レンジ:131円28銭−132円43銭。

■もみ合い、ユーロ圏小売売上高などが売買材料に

来週のユーロ・円はもみ合いか。7月6日発表のユーロ圏5月小売売上高が堅調だった場合、ユーロ圏経済の早期正常化を期待したユーロ買いが先行しそうだ。ただ、域内における新型コロナウイルス変異株(デルタ株など)の感染拡大が警戒されており、リスク選好的なユーロ買い・円売りが大幅に拡大する可能性は低いとみられる。

○発表予定のユーロ圏主要経済指標・注目イベント
・6日:5月小売売上高(4月:前月比-3.1%)

予想レンジ:131円00銭−132円50銭《FA》

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