【どう見るこの相場】米国「ミーム銘柄」の先行きは?兜町は「仕手株」から「ミーム銘柄」へ?

2021年6月14日 12:10

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記事提供元:日本インタビュ新聞社

「仕手株」という相場用語は、とっくに死語になっていたと思っていた。ところが米国市場では、これが大手を奮ってマーケットに影響を与えているというから驚いた。米国流には「ミーム銘柄」と呼ばれているらしい。ただし「仕手株」と「ミーム銘柄」では、根本のところで大きな違いがあるようなのである。

「仕手株」という相場用語は、とっくに死語になっていたと思っていた。ところが米国市場では、これが大手を奮ってマーケットに影響を与えているというから驚いた。米国流には「ミーム銘柄」と呼ばれているらしい。ただし「仕手株」と「ミーム銘柄」では、根本のところで大きな違いがあるようなのである。[写真拡大]

■「仕手株」と「ミーム銘柄」の違いとは?

 「仕手株」という相場用語は、とっくに死語になっていたと思っていた。ところが米国市場では、これが大手を奮ってマーケットに影響を与えているというから驚いた。米国流には「ミーム銘柄」と呼ばれているらしい。ただし「仕手株」と「ミーム銘柄」では、根本のところで大きな違いがあるようなのである。

 「仕手株」は、仕手本尊と呼ばれるプロ投資家が、個人投資家やセミプロ投資家、市場参加者を巻き込んで売りを誘い、担ぎ上げて締め上げ、買い戻しを余儀なくさせることによって株価を上昇させ出口戦略とすることを常套手段としてきた。しかし「ミーム銘柄」は、まったく逆である。個人投資家が、プロ投資家のヘッジファンドにバトルを挑み、売り持ちしている銘柄をターゲットにオンライン掲示板サイト「レディット」で買いを呼び掛け、「みんなで買えば怖くない」とばかりにヘッジファンドを追い詰め買い戻しをさせ株価短期爆騰を演出している。ゲームストップを筆頭に仮想通貨のビットコイン、さらにAMCエンターテインメントなどと爆騰劇の枚挙にいとまがない。

 もっともSEC(米証券取引委員会)も調査に乗り出していると伝えられているから、「ミーム銘柄」の先行きもなかなか厳しいところがありそうだ。かつての兜町の仕手本尊たちも、証券規制当局による株価操縦、インサイダー取引、風説の流布などによる証券取引法違反や税務当局による脱税容疑などで摘発され、その後いずれも「塀のなか」に落ちる末路となっており、米国の個人投資家たちの健闘を祈りたい。

■自分流「ミーム銘柄」は「ウッド・ショック」の裏読みで木材関連株も候補株

 ただわが兜町の個人投資家にとっては、プロ投資家や外国人投資家、機関投資家を出し抜き、オーバーパフォームすることは夢であることに変わりはない。「みんなで買えば怖くない」と参集を呼びかけるのは憚れるものの、少しでも可能性があれば、自分流にチャレンジして「イナゴ」投資家から変身してみせたい願望は捨て切れないはずだ。そうした視点でマーケットを見回すと、バトル展開の候補株がいろいろあることはある。

 例えばエーザイ<4523>(東1)である。アルツハイマー型認知症治療薬の製造販売承認で2日連続ストップ高して高値波乱、前週末11日は年初来高値と切り返したが、証券アナリストの目標株価が、強気派と弱気派の間で1万円以上の開きがあり、年初来高値をとってきたここでどちらに与みするかバトル余地があるということである。

 しかしエーザイは、株価が1万円もする値がさ株である。個人投資家にとっては、もっとポケットマネーの範囲まで敷居を下げ、プロ投資家を自分の守備範囲にまで引き付けて、ゲーム感覚のバトルを楽しめればこの上ない。どうせ全般相場は、今週も明15日~16日のFOMC(米公開市場委員会)の結果待ちで小動きを余儀なくされそうだ。

 今週は「木材関連株」に注目することとした。木材関連株は、コロナ不況からの景気回復、住宅建設の増加による木材不足で米国のシカゴ市場で、木材先物価格が急騰し、これによる「ウッド・ショック」が逆に関連株の株価を急騰させた。

 代表株は、建材の卸・小売りを主力とする住宅関連の総合商社・山大<7426>(JQS)である。6月5日に「木材高騰、マイホーム高騰」と報道されたことでストップ高して1658円まで短期83%超高した。前週末11日は、1200円台まで急落して東証第2部の値下がり率ランキングの第2位と悪役を演じが、同社株は、今年4月にも住宅木材(集成平角)価格が、「13年半ぶりに高値」と報道されたことでストップ高し年初来高値1672円まで買われた実績がある。

 6月10日に日本経済新聞の商品欄で木材不足で国産割り箸まで値上げと報道された。木材関連株は幅広く、しかも小型株で出遅れ株が多いだけに、「ウッド・ショック」を裏読みしてチャレンジするのも一法となるかもしれない。(情報提供:日本インタビュ新聞社・株式投資情報編集部)

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