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ビックカメラに見る、「家電量販店もEC化必須」の時代
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4月27日、小池百合子東京都知事の要望に反し所沢住民の私は上京した。用事を終え西武池袋線に乗ろうと、池袋駅に戻ったのは午後7時ちょっと前。懐を確認し、駅前のビックカメラに入った。不具合になったプリンターを買い替えるつもりだった。
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が、入店早々に「緊急事態宣言に対応し、7時で閉店としている」というアナウンス。「夕食&飲酒は家」が10年来の習慣になっていた私が初めて体験した、「営業時間短縮の影響」だった。
翌日住処の所沢のコジマ電気(ビックカメラグループ)に電話をし、「お宅も7時終業?」と聞いた。「いえ、緊急事態宣言の対象地域外ですので8時閉店です」とのことだった。池袋から所沢まで急行電車での時間距離は、20分余。「?」な感じを持った。が、それをいまここでとやかく論じるつもりはない。
繰り返される「蔓延防止等特別措置」「緊急事態宣言」下でビックカメラは、収益面でどんな影響を受けているのかを調べることにした。
2020年8月期は「47.4%の営業減益」。19年9月の消費税率引き上げに伴う「駆け込み需要の反動」「コロナ禍に伴う時短営業・臨時休業」が響いた。対して今8月期は「24.3%の営業増益」で立ち上がり、中間期直前のタイミングで「46.7%の営業増益(177億円)」に上方修正した。
小売業の収益動向を見る上で重要な指標となる「既存店売上高(ビックカメラ+コジマ電気)」は至る2月の上半期で前年同期比96.8%、3月は117.5%と「踏ん張り」をみせていた。ビックカメラの中間期決算短信は「パソコン周辺機器や加湿器・空気清浄機の需要増」を要因と記していた。また「ネット通販への注力が奏功」とも記されていた。が、EC化の現状には短信の限りでは言及されていなかった。
周知の通り家電量販店では「何故、上場しないのか(何回か問い合わせたが、なしのつぶて)」と問われて当然な規模のヨドバシカメラが「ECビジネス(比率は未公開)」を主体としている。
ある御仁の顔が浮かんだ。ビックカメラの広報・IR部長を3年近く前に退職した波乱の?ビジネスマン人生を泳いだ、U・K氏(元三井住友銀行広報部/転籍後上司と折り合いがつかないと関連会社に転出を希望/まもなく件の上司が副社長に/職を辞しビックカメラにコネもなく転職)。
賀状の自宅の連絡先を頼りに電話を入れた。「今期の中間期時点の割合は分からないが、20年8月期は17.5%(前年度比5.4ポイント上昇)、1484億円近く」と教えてくれた。
大型小売業の一方の柱ともいえる家電量販店も、勝ち残り・生き残りにEC化の注力が不可欠になってきたと痛感した。(記事:千葉明・記事一覧を見る)
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