コロナ関連の破たん1397件に 破たん企業の従業員は1万7000人超え 東京商工リサーチ

2021年5月15日 16:28

印刷

 東京商工リサーチは14日、コロナ禍の影響で経営破たんした国内事業者数が、累計で1,397件(負債1,000万円以上)に達したと発表。日本では一部地域で変異型の感染が急拡大し、14日には緊急事態宣言の対象地域の追加が決定された。海外より届いたワクチンの接種も遅れ、正常化の時期が読めない中、飲食関連等など一部業種で破たんが続く。職を失った従業員に対する就業等支援の重要性が高まる。

【こちらも】アパレル大手、回復基調 反動増もコロナ前には戻らず 再発出で再び減速懸念

 東京都は15日、都内で確認された新型コロナウイルス新規感染者数が772人だったと発表。14日までの1週間における新規感染者数の1日当たり平均は926人で、前週の766人や前々週の773人から増えた。

 大阪府は14日、同様に576人が確認されたと発表。4月5日以降で初めて600人を下回った。一方、新たに33人の死亡が新たに確認され、府内で亡くなった人の数は累計で1,901人となった。医療体制の逼迫状況はいまだ厳しい。

 政府は14日、緊急事態宣言の対象地域に北海道、岡山、広島を加えた。いずれも変異型の急拡大へ対応するためのもので、対象地域は9都道府県となった。また、「まん延防止等重点措置」の対象地域へ群馬、石川、熊本を追加し、こちらは合計10県が対象となった。菅首相は対象地域拡大にかかる記者会見にて、31日に設定された期限の延長はその時点で判断すると回答した。

 緊急事態宣言や「まん防」の対象地域では、飲食店の休業要請や大型施設の時短営業等が求められる。公的な資金繰り支援策はあるものの、コロナ禍の長期化で諦め型の破たんが増えている。正常化への鍵となるワクチンの接種は欧米などと比べ普及ペースが遅い。医療体制の整備が追いつかず、海外の製薬会社より届いたワクチンが倉庫に保管されたままになっている。

  新型コロナウイルスの世界における累計感染者数は、米ジョンズ・ホプキンス大学の集計によれば日本時間15日午前11時時点で1億6,154万人超、死者数は335万人を超えた。国別の最多は米国の3,289万人超、次いでインドが2,404万人、ブラジルが1,551万人。以下、フランス590万人、トルコ509万人、ロシア486万人、イギリス446万人と続く。

 インドでは引き続き、1日当たりの新規感染者数が30万人を超え、死亡者数も4,000人前後で推移している。一部の農村では無資格の医師や薬草に頼らざるを得ない状況に陥っている。また、火葬されずに浅く掘った穴に埋めたり、川に流すなどの方法で遺棄される遺体もあるとのこと。

 かかる状況下、東京商工リサーチは、新型コロナウイルスに関連する経営破たん事業者数が14日16:00時点で1,397件に達したと発表。このうち1,319件が負債1,000万円以上の私的整理ないし法的整理。破たん企業が雇用していた従業員数の累計は、判明している数だけで1万7,257人。破たん事業者の大半は従業員数20人未満の小規模事業者ながら、全国規模での破たん件数の増加で失業が広がっている。(記事:dailyst・記事一覧を見る

関連キーワード

関連記事