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オリエンタルランド、上場来初の最終赤字 コロナ禍での休園が影響
■1996年上場来初の最終赤字
オリエンタルランド(4661・OLC)は4月28日大引後、21年3月期通期連結決算を発表した。売上高は前期比63.3%減の1706億円、営業損益は460億円の赤字(前期は969億円の黒字)、純損益は542億円の赤字(同622億円の黒字)となった。1996年に上場したOLCだが上場来初の最終赤字となった。
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東京ディズニーリゾートの運営を行うOLCとしては、新型コロナウイルス感染症による政府からの休園要請や入場規制によって、本来の事業運営ができなかった1年となった。新エリアのオープンによって過去最高業績を目指していた中で、感染症拡大といった外部要因もあったものの、ポジティブな一面もあったようだ。
■テーマパーク、ホテルともに売上半減 単価は向上
部門別売上高を見てみると、テーマパーク事業は前期比65%減の1342億円、ホテル事業は同56%減の286億円と極めて厳しい結果だった。6月末までの臨時休園や、その後の入場客数規制によって数字が伸びなかった。特に入園客数を1パーク5000人以下に制限したことが影響している。
一方で、ゲスト1人あたりの売上高は増加しており、19年3月期に比べ18%増となっている。特にチケット収入が1000円程度増加しており、その他商品販売や飲食販売についても増加した。チケット価格改定に加えて、優待券等の利用が抑えられたことや、入園客数が限られているためゲストの店舗利用促進が進んだ模様。
今後入園客数の緩和を行った際にゲスト単価が維持できれば、業績回復は大いに見込めるであろう。
■財務面では引き続き健全レベル
入園客数の大幅減と新型コロナウイルス感染症の収束が見えてこない中、財務面では比較的安定している。自己資本比率は前期より低下したものの73%としており、外部資本に頼り切った状況ではない。足元ではキャッシュアウト抑制施策によって人件費や諸経費の削減を行い、経営の健全性を担保。
新エリアやホテルの建設が進む中、新型コロナウイルス感染症の一刻も早い収束を願うOLCとしては、目先の資金繰りの健全性を保ちつつもパーク運営の質の向上に努めていく模様。とはいえ22年3月期の業績予想発表は見送っていることからも、22年3月期も「コロナ禍」という外部要因に苦しめられることになるだろう。(記事:拓蔵・記事一覧を見る)
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