極東開発は決算発表を先取り次期2022年3月期業績に期待を高めて反発

2021年4月13日 09:04

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記事提供元:日本インタビュ新聞社

 極東開発工業<7226>(東1)は、前日12日に31円高の1721円と3営業日ぶりに反発して引け、取引時間中には1722円と上値を伸ばし3月23日につけた年初来高値1729円に肉薄した。同社株は、今年5月13日に3月期決算の発表を予定しており、前2021年3月期業績は、今年2月の再上方修正通りに連続減益率を縮めて着地する見込みで、今2022年3月期業績は、今年3月30日に開示した固定資産譲渡の特別利益約130億円が寄与して大幅増益転換すると期待して割安株買いが再燃した。テクニカル的にも25日移動平均線で下値抵抗力を発揮していることが、買い手掛かりとなっている。

■固定資産譲渡益約130億円は次期業績に計上し大きく寄与

 固定資産の譲渡は、資産の流動化と経営資源の有効活用を図ることを目的にしており、東京都西多摩郡に保有する土地を対象にしており、売却益約130億円は、2022年3月期に計上予定である。

 一方、現在集計中の前2021年3月期業績は、昨年11月、今年2月と2回上方修正され、昨年8月に開示された予想値より売り上げが75億円、利益が16億円~26億円それぞれ上ぶれ売り上げ1140億円(前々期比5.1%減)、営業利益80億円(同5.8%減)、経常利益80億円(同7.8%減)、純利益60億円(同1.2%減)と見込み、連続減収・減益率を縮小させる。新型コロナウイルス感染症の感染拡大で慎重にみていた特装車事業がそれほど悪化せず、新発売した新型「土砂ダンプトレーラ」、新型「スーパー散水車」も寄与、特装車事業の生産性の改善、イベント中止などによる固定費減少なども要因となった。また配当も、期初に未定としていたが、業績再上方修正により増配、年間38円(前期実績40円)として実施予定である。

 今2022年3月期業績の動向は、5月13日の決算発表時の業績ガイダンスを待たなければならないが、固定資産譲渡益約130億円がそのまま計上されれば、純利益は、前期推定値比2.1倍となり、2017年3月期の過去最高(81億3000万円)を大幅に更新することになる。期待材料として潜在することになる。

■25日線下支えの上昇トレンドもPERまだ11倍、PBR0.7倍

 株価は、コロナ・ショック安で突っ込んだ昨年3月の昨年来安値933円から売られ過ぎとして底上げ、その後の前期業績の上方修正のたびに25日移動平均線に下支えされつつ上値を追った。昨年11月の業績修正では1500円台に乗せ、今年2月の再上方修正では昨年来高値1729円まで買い進まれ、足元では25日線で下値を確認して出直りを窺っている。この高値水準でもPERは11倍台、PBRは0.74倍と割安であり、昨年来高値抜けから次の上値フシとして2018年1月高値2050円が意識されよう。(情報提供:日本インタビュ新聞社=Media-IR)

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