関連記事
引き金が引かれた? バブルが崩壊する仕組みと3つの共通点 前編
過去のバブル状態といえば、1990年頃の日本経済バブル、2000年頃のITバブル、そして、2007年頃のアメリカ住宅バブルであるが、概ね10年に1度、バブルが起きては「例外なく」崩壊していることは既知の事実である。それでは、なぜ「例外なく」なのかといえば、「バブルは崩壊があって、初めてバブル状態であったことが認識されるから」である。
【こちらも】折れたらバブル崩壊へ 過去のバブル崩壊とFRBの我慢比べ 前編
つまり、バブル状態である時には悦に入っているため、現在の市況を気にすることは無い。企業を丁寧に吟味してから株を購入するわけではなく、とにかく株を買えば儲かるという勘違いに支配されている状況であり、市場全体が根拠の無い自信でまん延している状態だ。ふと我に返った時には高値圏に取り残されており、慌てて株を投げ売ることから売りが売りを呼び、暴落へとつながっていくのである。
それでは、現在の状態がバブルであるか気付くことができないのかといえば、必ずしもそうではない。一定のチェックを定期的に行うことで、自己点検をすることも可能だ。たとえば、過去のバブル崩壊時に共通している条件と、現況との比較をすることも有効だ。
では、過去のバブル崩壊時の共通点とは何だろうか。具体的には、(1)市場にマネーが飽和していること、(2)不動産などの資産価値が急騰していること、(3)経済過熱感がまん延していること、の3つが挙げられるだろう。早速、2021年3月下旬時点で、この3つの条件を満たしているといえるかどうか、確認していきたい。
まず、1つ目の条件である「マネーの飽和」については、コロナショックに対応すべく、各国が大規模な金融緩和政策を取り続けていることから、間違いなく条件を満たしているといえるだろう。
続いて、2つ目の条件である「資産価値の急騰」についても、ビットコインを代表とする仮想通貨の急騰や、中国や韓国などのアジア圏における不動産価格の急騰が当てはまるといえよう。もちろん、日本の不動産価格も高水準ではあるものの、万が一、中国でバブルが崩壊するようなことがあれば市場へのインパクトは絶大だ。(後編に続く)(記事:小林弘卓・記事一覧を見る)
スポンサードリンク