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日銀株ストップ高が意味すること
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●日銀株がストップ高
3月1日に日本銀行の株価が、前営業日比5000円高の3万3000円となり、ストップ高をつけた。翌2日もストップ高の4万円をつけている。
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年初の1月5日は2021年の安値となる2万4610円をつけおり、安値圏で放置されていた。日経平均が3万円に回復するなど、活況を見せる中、日銀株は別世界だった。値上がりし始めたのは、日経平均が1000円以上値を下げて、3万円を割り込んだタイミングだった。
●日銀株とは?
日本銀行は日銀法により設立され、認可法人という位置づけである。株式会社ではなく、株主総会もなく、議決権の行使もない。
正確には株式ではなく、政府が55%出資する出資証券で、出資証券が株式に準じて取引されている。
東証ではなくジャスダックに上場している。資本金が1億円のため、東証1部上場の基準を満たしていないからだ。
日銀株は売買規制が厳しく、取引件数が少ない。他の銘柄のように、ネット証券などで簡単に買うことはできない。手数料は高いが、大手の証券会社なら買えることもある。
●ストップ高が意味すること
日銀株は2006年の日銀の量的緩和解除やゼロ金利解除で上昇したこともあったが、2008年のリーマンショック以降は低迷していた。2012年のアベノミクス相場以降は急上昇し、3万円前半だった株価が一時9万5000円近くまで上昇した。
昨年からのコロナ相場による株価の上昇によって、日銀が買い入れているETFの運用益の増加等で、好決算となっている。
本来なら好業績銘柄として注目されるはずだが、一般企業のように業績で買われる銘柄ではない。
日経平均が3万円をつけて、一旦天井を打ったと思われるこのタイミングで日銀株が買われることが不自然に思われる。
バブル期の88年12月には、上場来安値から4年間で、約40倍まで上昇したことがあり、その“2匹目のドジョウ”を狙っているのではと言う見方もある。
いずれにせよ、“出遅れ株”とも言える日銀株が買われることは、買われるべき株が一巡し、投資先が無くなってきているということを意味している可能性もある。ゲームストップ現象の日本版と見ることもできなくはない。(記事:森泰隆・記事一覧を見る)
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