新型コロナは、そんなに怖いか? ”医療崩壊”を回避するのは難しくない!

2020年12月16日 08:31

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 新型コロナウイルス(新型コロナ)が厄介なのは、当初中国で発見された時から、野生動物絡みの恐ろしい感染症であるという認識を植え付けられたことや、日本では今年2月に「指定感染症2類相当」に指定されたところにある。

【こちらも】新型コロナは、そんなに怖いか? 正体不明の怖い感染症という呪縛から解放されてもいい頃では

 実態が不明な初期の段階で強い警戒感を示すことは当然だが、その後の知見でそれほど深刻な感染症ではないと判明しているのに、未だに「指定感染症2類相当」という扱いが変わらないのは不適切だ。結果として今でも、25%~90%と突出した致死率のエボラ出血熱(1類感染症)と同等の扱いを医療機関に強いている。

 日本ではほとんど確認されることがない1類感染症用の医療設備を備えた医療機関は、絶対数が少ない。そのため、重症者が多少増えただけで病床使用率が上がり、医療崩壊だと喧伝される。マスコミも大袈裟に伝えないと視聴率が稼げないという”性(サガ)”があるので、深刻さを煽りに煽る。

 日がな1日テレビの前でそんな報道を見せられているのは、高齢者や専業主婦ばかりだから、掻き立てられた恐怖心を検証する術(すべ)も限られる。そんな状況を背景にして形成された世論に、政治家は縛られて身動き取れず、都道府県の首長たちも住民の不安感に迎合した発言や政策に傾斜する。日本全体が”集団ヒステリー”に陥ったかのようだ。

 14日、政府は新型コロナ対策本部で、Go To トラベル(観光需要喚起策)を12月28日から翌1月11日まで全国一斉で一時停止することを決めた。ヒステリーに抗しきれなくなって、追い込まれたような決断だ。

 日本における新型コロナの死亡者数はほぼ1年間で2600人程度(基礎疾患との関連は考慮されていないので、厳密に新型コロナによる死亡をカウントするともっと減少するらしい)であるのに対して、インフルエンザの死者数は関連死を含むと概ね1万人なのだから、新型コロナがインフルエンザの五類感染症と同等の括りにしてもおかしくない。

 新型コロナがインフルエンザと同等に扱われるようになれば、国民の不安を掻き立てる「医療崩壊」は雲散霧消する。医療機関はいつでも過酷な医療の最前線に位置しているため、いつ何時どんな症状の患者が運び込まれてくるか分からない。常時最高の感染防御態勢を敷くことな不可能なので、医療機関にとって院内感染は宿命のようなものだが、新型コロナに関しては”クラスター発生”と大々的に報道される。

 医療関係者が陽性と判定されたら、症状があろうとなかろうと2週間自宅待機を強いられて、現場に残された同僚が極限状態に追い込まれる。

 こんな状態を”医療崩壊が近い”と騒ぎ立てることへの違和感が拭えない。(記事:矢牧滋夫・記事一覧を見る

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