コロナ関連の破たん787件に 事業者はGoTo継続に注目 東京商工リサーチ

2020年12月13日 07:43

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 東京商工リサーチは11日、新型コロナウイルス感染症の拡大を受け破たんした国内事業者数が、累計で787件に達したと発表。11日は新潟県、群馬県、栃木県、佐賀県で新たな破たんが発生するなど影響は日本各地に広がる。新規感染者数や重症者数が連日で最高値を更新するものの各地の人出は減らず、コロナ分科会はGoTo事業の一時停止や時短営業の前倒しを提言。日本ではワクチンが来春から認められると見られる中、飲食業や宿泊業を中心にしばらくは厳しい経営環境が続く。

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 東京都は12日、都内で新たに確認されたコロナ感染者数が621人だったと発表。10日に記録した602人を上回る過去最多で、12日までの直近1週間における1日当たり平均は481人と、前週の452人や前々週の414人からさらに増加。東京都は、現在の感染状況を踏まえ、当初17日までとした飲食店などに対する時短要請を延長する方向で調整している。

 政府の新型コロナウイルス感染対策分科会は11日、感染が拡大等する地域でのGoTo事業の一時停止や、時短営業の午後8時への前倒しを提言。日本各地で高齢者への感染拡大により重症者数が増加している状況を受けてのもの。政府が「勝負の3週間」と位置づけ国民に不要不急の外出自粛を呼びかけるが、繁華街を中心に人出の減少は限定的であり、より効果的な対策が必要と判断した。

 新型コロナウイルスの世界における累計感染者数は、米ジョンズ・ホプキンス大学の集計によれば、日本時間12日午後7時時点で7,115万人超(前週比+529万人)、死者数は159万人(同+8万人)を超え、いずれも増勢が強まっている。国別では、米国が1,585万人超(同+149万人)と最多で、次いでインドが982万(+25万人)となった。以下、ブラジル683万人、ロシア260万人、フランス240万人、イギリス181万人、イタリア180万人、トルコ178万人、スペイン173万人が続く。日本の累計感染者数は17万人を超えた。

 かかる状況下、東京商工リサーチは新型コロナウイルスに関連する経営破たん事業者数が、11日16:00時点で787件に達したと発表。このうち721件が負債1,000万円以上の私的整理ないし法的整理。

 業種別では、飲食業が136件、宿泊業が60件とGoTo事業の恩恵を直接的に受ける業種が破たん件数の約1/4を占める状況。この他、飲食料品卸売業や食品製造業など間接的に恩恵を受ける事業者の破たん件数も多い。これら業種の多くはGoTo事業で業績が回復しつつあり、政府は感染拡大防止と経済成長を目指す中で難しい判断を迫られている。(記事:dailyst・記事一覧を見る

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